表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1359/1575

163

「はあはあはあ……」


 球のような汗が全身からあふれ出てた。体から力が抜けていつもは脚しか浸かってないこの容器に自ら肩までつかる。脚までしか普段はつかってないからそこまで深さがないのかと思うかもだけど、全身入るくらいはできるのだ。脚だけの時は別に温度なんて気にもしてなかったが、今ならこの容器の液体がひんやりと体を冷やしてくれる。

 きっと自身の体がほてってるんだろうって私は思った。なにせ頭をめっちゃ使った。それだけなんだけど、頭を酷使しすぎて体までそれは伝染してるみたい。


 塔の側面にできた入り口。開いた扉。それに入る。その瞬間、上下の平衡感覚がなくなる。下に落ちてるようにも、上に登ってるようにも感じる。全身がグルグル回ってるようにだって……


「ついたね」


 そこに特別な事はなかった。いつの間にか、突如といっていいだろう。寧ろ最初から私達はここにいたんじゃないか? と思えるような……そんな感覚さえある。G-01は両足でそこにしっかりとたってる。そして……そんなG-01の前にそれがある。


「むーむー!」


 なんか内側からガンガンガン! ――という音が雰囲気をぶち壊す。どうやら収納したアイが暴れてるみたい。しょうがないから私は胸のあたりの装甲を開封して出してあげる。


 そしてすぐに目の前にそれ……に気づいたアイはこういった。


「これが……これがユグドラシルシステム」


 そう……きっとそうなんだろうなって思ってたけど、これがユグドラシルシステム。いや、G-01にもあるんだけどね。けど実物を見たことはない。ただなんかあるってわかるだけ。見守ってるなってわかるだけ。私やG-01を支えてる全ての根幹。だからこそ、これから莫大なエネルギーを感じる。


 ユグドラシルシステムはまるでDNAみたいな形をしてた。でっかいDNAだ。その中になにかが走ってる。

 そしてどこまでも続いてる。上を見ても、下をみても、延々と続いてるようにみえた。


 ドクン……


 私の胸の鼓動が強く打ち付けてくる。そしてそれに合わせるように……目の前のユグドラシルシステムも――ドクン――と鼓動を打った気がした。

 ドクン、ドクン――その鼓動は私と目の前のユグドラシルシステムでずれてる感じがした。私の鼓動が早くて、それを目の前のユグドラシルシステムが追ってくる感じだ。

 けどそれも……鼓動が続くたびに近くなっていく。そしてついには……『ドクン』――と重なった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ