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「さて、この環っかを直してあげましょう。無駄に抵抗しないでね」


 私はコクピットで薄暗い開かりを受けながらそういった。G-01のモニターに沢山の文字が流れていく。指先を向けて、弱い力をわっかへと送る。そしてその少ない力で警戒させないようにして、セキュリティをかいくぐり、少しずつ私はG-01のエネルギーをわっかに送り込む。なにせこの環っかとG-01のエネルギーはほぼ一緒といっていい。なにせ生まれた世界が一緒だからね。けど同じでも識別する方法はあるわけで、それをどうにかするために色々と、私はエネルギーを弄るのに苦労したよ。全く違ったら、そもそもが一緒にはできないわけだけど、それそれであきらめがつくだろう。

 けど、今回はそうじゃない。なにせ大体は『同じ』なのだ。そしてその中で僅かな違いを施して識別をしてる訳で……ほら一緒の世界にいくつも電気メーカーがあったら、それごとに同じような製品なのに使いまわしが出来ない……とかあるじゃん。あれである。

 そのメーカーの独自規格みたいなさ。それにこのわっか事態は多分だけど、G-01を作った世界ではそこそこ普及してたものだと思う。でも、こんな場所で、そして長期に独自稼働できるように、色々と手を食わえられてる。それはセキュリティも一緒だった。それをやったのはきっと、私が見たあの男性だろう。色々と、うまくいかなかった彼だけど、間違いなくあの人は「天才」ではあったと思う。たからそんな人が手を加えたものに私が何か出来るのか? とか思ったけど、なんとかなるものだ。

 私の知識も、そこそこ使えるものになってきたのかもしれない。なにせ一日も欠かさずに私はちゃんとマニュアルを解読してるから。そしてどんどんと私の脳は拡張されてる。実際、脳が拡張されてるってよくわかんないけどね。だって脳みそが拡張されてるっていうと、脳みそが大きくなってるのか? と思うじゃん。それに今まで何回も私は脳を拡張してる。もしも物理的に脳が肥大化してるのなら、私の見た目はそれはもう直視できないものになってるはずだ。


「けど、私の見た目は変わってないからね。ありがたいよ」


 私は天才になる代わりにクリーチャーになれって言われたら絶対に「いや!」っていうよ。だって今の見た目、かなりいいからね。それを捨ててまで天才にはなりたくない。でも私は変わってない。そしてそれなのにこうやって天才が弄った機械を、私自身が弄る事が出来てる。わずかずつ流してまずはその周囲を修復してると、一定を超える感覚と共に――


「これ以上はやばいか」


 ――と思えるラインがある。それは直感に近いが、なんかわかる。そうなるとまたエネルギーを弄ってみる。すると猶予が生まれる。きっとよりわっかのエネルギーに近づいてるからだ。そしてそれを何度も繰り返す。


「ふう……」


 私は今、かつてないほどに頭を使ってるかもしれない。その証拠に、私の額には球の粒がいくつも生まれては額から鼻筋を通ったり、顎を伝って私が浸かってる水に汗が落ちてる。

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