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 聖剣は新たな形態を見つけた。それはきっと不可抗力だったんだろう。聖剣は折れても自分の力になりたいと思ってくれた。その思いが……そして自分の望みが一致したとき、新たな形態が姿を現した。

 いや、考えてみたらそれが今まで現れてなかった方がおかしかった。きっと自分も、そして聖剣自身も自分の形、役割……それをしっかりと持ってたせいかもしれない。

 鞘は自分に早くに同化してた。だからこそ、聖剣は自分の中に収めることができた。でもそれはそれだけ。ただの鞘の役目だけを自分は今までやってた。


(便利だな)


 くらいの感覚。なにせ武器というのはなかなかかさばるものだ。それがないんだからとても便利だった。しかもどこからでも、どのタイミングでも取り出せるというのはとてもありがたかった。

 それで満足してたわけだ。でも、今の自分と聖剣はただ聖剣を体内に収めてるだけの鞘じゃない。確かに状態としては鞘の役目をしてた時と同じだ。けど……今でも自分は聖剣を抜いてる。そう抜刀してるんだ。

 中にあるはずなのにそれでも抜刀してるというのはどういうことか。それはだからこその一心同体。同化の状態を鞘に入ってる状態で同体してたのを抜刀状態で同体してるということ。

 それが出来るようになった。だから自分の拳は打撃をしてるけど、同時に自分の体内の聖剣によって切り付けてるのと同じ事実が起きてるわけだ。


 だから相手は切れる。でもそれは打撃がなくなったわけじゃない。つまりは打撃と斬撃が同時に今の自分は打てる。


 それに……本当の意味で一心同体となった自分と聖剣はそれだけじゃない。聖剣の力をこの身で感じることができてる。そしてそれを受け入れることができる。

 いままでにない高鳴りが胸を占めてる。聖剣の力を体内で開放してるわけだから、今や自分は剣だ。わが身が一つの剣になってる。


「はあああああああああ!!」


 斬撃は拳に合わせるだけじゃない。見る場所、思う場所に斬撃を現すことができた。それにそれを現すのはこっちの自由自在だ。拳を向けてたとしても、全く違う方向から斬撃を現すことができる。でもやっぱり直接ふれた方が強力な斬撃を現すことができるみたいだ。

 新たな力、新たな形態を使って自分は腕を支えてる背後の輪っか、あれを狙う。


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