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 拳一つ、裸一貫の一撃。まあ実際には裸ではない。けど、心はそんな感じではある。なにせ今まで頼りにしてた聖剣はないのだ。生身の拳……それを向けなければいけないのは、兵士が何も持たずに敵に立ち向かうと同じだ。


 自分が引くわけにはいかないという責任感。それがあった。なにせアイ殿は遠距離型だ。それにミレナパウスさんはまだまだ危なかっしい。ならば自分が前に出るのが望ましい。それにミレナパウスさんは目玉の相手で精いっぱいだ。武器をなくした自分が目玉の相手をして、ミレナパウスさんと交代する? その選択肢を考えなかったわけじゃない。

 でもそれはダメだ。それは甘えだ。まだ、ミレナパウスさんにはこいつの相手は厳しい。今まで戦ってきたからよりわかる。それにこいつは腕が切り替わって明らかにパワーアップしてる。新品の腕は再生したのか、それとももっと別の……


(あの時、この腕が飛んできたのか?)


 実は二体目……という線も自分は考えていた。なにせ前の腕はボロボロだった。だから最初に相手にしてた腕は実はあの爆発で大破してて、これはその爆発の内に入れ替わったんじゃないのか? という事。

 でもそれは多分違う。だって……


(腕は確かに新品のようになってる。けど……輪っかのほうは……)


 輪っかには実はダメージが残ってる。つまりはこれは再生というよりも、新たな腕に換装したのではないか? そう自分は考えてる。なにせ再生なら、普通は元のように直すだろう。戦闘中ならなおさらだ。わざわざ微妙にデザインを変えるか? とね。

 輪っかは多分変わってない。けど腕はきっと変わってる。


(腕のストックは後何個ある?)


 恐ろしい事を考える。腕は壊しても換装がきくのなら、必死こいてこの腕と戦う意味なんて……


(なら狙うなら……)


 自分の視線は腕の先。その根元……その輪っか。それに注がれる。だって輪っかが変わってないのなら、この腕だけの存在の中核……それはこの腕じゃなく、この輪っかではないのだろうか? その可能性が大きい。腕は換装できるのかもしれないが、輪っかはこの存在の中心だ。だからこそ、狙うならこの輪っか。


 でも言うは易く行うは難し――だ。向こうはパワーアップして更にその動きだってよりよくなってる。それに対して、自分は大幅戦力ダウンしてる。どうやってあの輪っかを壊す? 自分のこの拳であれを叩き壊すことができるのか?

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