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 爆発が起こった。黒煙がもうもうとたちこめる。手応えはあった。銃だけど……と、確実にあたったのは確か。それにこの規模の爆発だ。あの腕が爆発したのではないか? 

 けど、何かが警鐘を鳴らしてる。それは勇者としての第六感か……自分はその感覚を今まで信じてここまできたといっても過言じゃない。油断はきっとできない。


「くっ!?」


 いきなり強い風が吹く。自分たちの所まで一気に流れてくる黒煙。それによって視界が悪くなる。この吹いた風はどう考えても自然に吹いたわけじゃないだろう。だってここは室内だ。でっかい風が吹く装置とかが無い限り、こんな強風がいきなり吹くなんてないだろう。つまり……これは何かが起こした風ということだ。そうなにか……この場合、それは一つしか無い。


 ガキイイイイイイイイイイン!!


 なんとか聖剣で防いだ。気づいたら正面にいた腕。そして気づいたら、その拳が目の前に迫ってた。なんのゆらぎもなかった。空気のゆらぎ、迸るエネルギーのゆらぎ……それらが全く感じなくて、この瞬間までそれに気づくことすらできなかった。


 頭はきっとその瞬間まで理解してなかっただろう。けど、自分の長年の積み重ねのお陰でとっさに体は動いてた。きっとあのままだと「死」が訪れてたのだろう。それだけのピンチだった。だからこそ、脳を無視して体が動いた。確かにやつは機械だ。そこに殺意とか感情は全くもってのってない。

 ただ、自身の役割をこなすためだけに動いてるに過ぎない。だからこそ、分かりづらいというのはあった。でも……今のは……いやこれは……

 吹っ飛んだ自身に向かっていとも簡単に追いついてくる腕。円環一つに、沿うようについた二本の腕。そう……戻ってる。いや、違う。微妙だけど、色合いとか、形の細部が違ってる。それに今、あの腕は肘部分にブースターがついてるのか、それを吹かして高速移動を可能にしてる。

 どうやら小回りだって効くようだ。ボッボボボボ――と細かく調整してるのがわかる。


 ギッギギギギギギギ――ギュパッ――


 拳が来るかと思ってたら、直前でぎこちなく手を開く。その手のひらの中心には何やら穴が見える。そこに光が集まっていく。


(まずい!!)

「どきなさい!!」


 その瞬間、自分は横によける。すると後方からアイ殿の銃が火を吹いた。けど向こうもそのまま手のひらに集めた光を放つ。二つの光がぶつかりあった。


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