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 一体あの子は何をやってるのか? そんな事を自分は思う。ちらっと見た時、彼女の知られざる一面を見たような気がして、そっと目をそらしたのは内緒だ。見なかったことにしよう……それがきっと優しさというものだろう。


 こっちも強敵と相対してるわけだが、それでも仲間を、友を気にかけるのは普通のことだろう。まあそんな事をやってたらアイ殿から――


「余裕そうですね。サクッと倒してくれません?」


 ――とかいう嫌味を言われるわけだ。それができるのなら、やってるところだ。彼女だってそれはわかってる。嫌味になるとわかってるから言ってるのだ。それに彼女は効率を何よりも大切にしてる。

 ここでこんな所で足踏みしてるのとか、彼女的にはスケジュール的に色々な予定が狂ってしまって嫌なんだろう。イライラとしてるのがわかる。けどだからって勢いだけで倒せるくらいの相手ではない。

 なにせ……だ。なにせ、眼の前の輪っかに腕が生えた敵は学習してる。それは確実だ。同じ攻撃が効くことはない。それにこちらの動きを完璧に予測してるかのような動き。

 こいつは見てない。けどきっと周囲が見てる。そう目玉たちだ。だからこそミレナパウスさんも周囲の目玉を引き受けてくれてるんだろう。彼女でも目玉なら無理なく倒すことができる。

 けど無理なく……とはいっても、それはある程度の数までは……といえる。自分やアイ殿なら目玉を何体相手にしても大丈夫だが、流石にミレナパウスさんはそうじゃない。でも、彼女は頑張ってくれてる。戦闘だってようやく慣れてきた感じなのに……


(なんとか彼女の負担を減らしたいが……それの一番の近道は……)


 向かってくる腕を聖剣で受け止める。体全体に走る衝撃。きっと以前の肉体のままではこの一撃さえも受け止めることばできなかっただろう。それだけの攻撃力がある。

 それに細かに振動してるのか、体の内部にも痛みが走る。これでなんとなく痛い……程度なのは、自分の身体が既に生身……とは言えなくなってるからだ。もしもこれが生身の肉体だったら、今のできっと内蔵をズタボロにされてるだろう。つまりはそういう攻撃なんだ。

 強力な腕力に任せた攻撃だと思わせておいての内部破壊までも織り込んだ攻撃。一つの攻撃に二つの手段が織り交ぜてる。恐ろしく効率的な攻撃ではないだろうか? 

 やっぱりどこかこういう機械的な存在は効率ってやつを目指しがちなのか? と思ってしまう。


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