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「私は……あれは周囲の目玉も使ってると思います。信号……会話をしてるのはきっと私達の情報を共有してるからではないでしょうか?」


 コクリとアイ様が頷いてくれます。あれは腕だけなのにやたらと動きが正確です。その答えはきっとこの周囲の目玉たちなのです。彼らは目玉……そう目玉です。


 つまりは視界です。その視界が数えきれないほどここにはある。それをもしも全て使えるとしたら? それだけの目玉があったらたしかになんでも見えてしまうでしょう。

 腕だけなのに、やたらと正確にこっちの攻撃を受けたり避けたりできるのも、やっぱりだけどそれは「見えてる」からだったのです。


「私が目玉たちを相手にします! いえさせてください!」

「でもあれだけの数を一人じゃあ……」

「違いますよアイ様」


 私の言葉にアイ様はきょとんとします。できる女のほうけた顔はなんとも愛嬌があるものです。いつもは美人だな~という気持ちが前に出ますからね。けど今のアイ様はかわいらしい。

 私はそんな彼女に自信満々にいいます。


「私は一人じゃないです」


 そんな私の言葉にポニちゃんが答えて私の体にまとってる状態でわずかに手の形をとってグッと親指をたててくれます。きっと「その通り!」と言ってます。

 そう私は一人じゃないです。ポニちゃんが一緒です。


「それでもあの数ですよ?」

「うっ……それは……」


 そういわれるのも仕方ないでしょう。だって天井から降りてきて、更には今まさに生産されてますからね。目玉の数はこれまでの戦いで一番といってもいいでしょう。数ではきっと一番最初に外で戦ったときの方が多かったかもしれません。けど外は広かったです。

 密集度が違うから、今の方が多く感じます。確かにこれを私一り――ではなくポニちゃんと一緒に相手に……改めて考えるとできるかどうかで言えば無理でしょう。

 でも……そんなのをいえるでしょうか? 言えません!! だって私は腕との戦いでは役に立てません。けど目玉とはこれまで何回も戦って馴れてます。どっちを選ぶとなるなら……こっちしかないでしょう。

 それも碌な理由じゃない……というのはわかってます。ある意味、これも逃げでしょう。でも……それでもわずかでも自分が役に立つことができる事をしようとしてるんです。

 だから……


「任せてください!」


 私はアイ様にそう告げました。

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