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「くっ、そっちにもくるぞ!」

「任せてください!! はあああああ!!」


 勇者様のそんな声に私は自身気に応えます。そしてその言葉の通り、私はポニ子ちゃんアーマーの腕を伸ばして迫りくる目玉たちを蹴散らします。さらに!


「ていやああああああああああああ!!」


 私のその伸びた腕を鞭のようにしならせます。それに縦横無尽にしなった腕が目玉たちに叩きつけられる。それで倒せはしませんが、妨害くらいは出来ます。

 その隙に……


 チャキ――とそんな硬質な音が聞こえた気がします。そして一気にこの空間が白く覆われます。まぶしい。それは勇者様の聖剣の輝き。そして振り下ろさる光の剣。

 それの光が収まると周囲の目玉は一掃されてました。


「流石です」

「いや、すぐにここを離れよう」


 安心しない勇者様はそう提案をします。そしてそれにアイ様が同意します。


「そうね、どうせすぐにまた奴らはやってくる」

「それで、どうなんですか? 別の道は見つけられそうですか?」

「……私を何だと思ってるの?」


 顔をプイっと逸らすアイ様。かわいい仕草です。けど……アイ様らしくはない。私は新参者です。まだ全然お二人と過ごした時間は短い。けど、濃い経験はしてます。

 故郷の世界でチヤホヤとやってた時が既に遠くに感じる程です。花よ蝶よと育てられてきましたからね。刺激も少なかった。けど今は毎日が刺激的です。見たこともないものがいつだって広がってます。今だってこんな巨大な建造物……ワクワクします。

 実際代り映えはさっきからしてません。何かを移動するような道? がずっと緩やかに曲がって続いてます。でもこの道だけでも凄いことです。私の世界にはこんな道存在してませんでしたからね。とても歩きやすいです。

 どこかに終着点があるかと思って、私たちはその道をずっと進んできましたけど、出会うのは目玉たちだけです。それにいつまでたっても一周もできません。広すぎます。なので、アイ様にどこか別の道がないか私たちが戦闘してる間に探っててもらってたわけです。

 ですけど……


「もちろん、私たちは貴方を信じてますよ」


 そういうニコニコの勇者様。責められるよりもああいうほうが心に来ますよね。なにせ全幅の信頼をしてるのです。これでやっぱり何もわからなかったなんて……言えないですよね。いえ、そんなことないはずです。私には訳も分からないですが、それをアイ様は理解してる。

 凄い人なんですから! なので私も参戦します。


「私もアイ様を信じてます!」


 キラキラとした目で私はアイ様を観ました。するとなんかさらに居た堪れないような……そんな感じでため息吐いちゃいました。


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