表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
128/1563

37

 空から光が落ちていく。


「始まったな」


 魔王がそういう。そしてそれに俺も頷き返した。これから世界は静の時間に入る。この世界の太陽は沈まない。だが空から光が落ちていき、真っ白に輝いてた太陽が黒く輝き始める。太陽は沈まない。けど、世界の色が反転したかのようになっていく。暗いんだが、暗くない。不思議な光景。これをこの世界の人達は知らないから夜という概念がない。まあ流石にこれは、自分たちの知ってる夜とも違うけどな。


 色が反転した世界は不気味だが神秘的でもある。上や下なんかなく、全ては黒い太陽に染まってる。


「やっぱり何かいる……」


 この世界の神……だろうか? 全体は見渡せない。それほど大きな何かだ。その何かの一部が流れてる……というか歩いてるというか……でも……確かにそれは居る。それは何をやってるのかはまるでわからない。ただ歩いてるだけのようにも見えるし……何かをやってるようにも見える。


「ここは大丈夫そうだな」

「ああ」


 魔王のその言葉に俺は頷いた。街の外なのに、この城の中は平和だ。あの謎のデカいのが迫ってくる事は無い。何かが流れ込むような不快感もない。まるで街の中に居るかのように平話その物だ。なにせこの静の時間には砂獣が現れることもないからな。この静の時間にはこの世界の全てが止まってる。


「この世界の奴らが外で寝てるとそこは安全地帯になるって事か?」


 そもそもが誰もがこんな風にちゃんとした装備で外に居るってことも確実じゃないだろう。ジャル爺さんの様に住んでた街が行き成り砂獣の奴に襲われてしまうと準備も何もなくて外に放り出されることになる。その時はテントなんて無い訳で……でもこんな世界の様子を見たって話しは領主であるバジュール・ラパンさんからも聞かなかった。色々な人と話したが、収穫はなかったし、研究者みたいな人に聞いても物語でもこう言う光景の話しはなかった。


 と言うことは、この世界の人達は多分これを見る事は出来ないんだと思う。場所ではなく、この現象はこの世界の人々に適応される。それに俺達が巻き込まれるかどうかは、この世界の人々が休んでる場所自体に安全地帯が適応されるから? なにせこの城の周りには、賞金稼ぎの奴らとか軍の人達のテントがある。でもその間には何もなくなってる。街では街の範囲は人々がいない道とかがこの時間だけ無くなるなんて事は無かった。でも、今は違う。人が居る場所以外は全て無くなってる。ここら辺は街とは違う。


「ここから奴らに攻撃してみたらどうなるんだ? やってみるか」

「おいおまっ!?」


 言うか否や、早速行動に移る魔王の奴。奴は拳に溜めた力を城のベランダから撃ち放った。こいつの考えは頭じゃなく体と直結してるのか!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ