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 目を閉じて、私は自身の頭を中をさぐる。この感覚は実はとても新鮮だった。だってだよ? だって普通……というか普通の人は記憶を引き出しているとき、どうしてるだろうか? うーんうーんと悩んでこれだ! って感じじゃないだろうか?

 それか直近なら簡単にするっと記憶が出てくると思う。けどそれって自然な感じだよね? きっとそうだったと思う。けど今の私は全ての記憶に自由にアクセスできる状態といったらいいのかな? 私はどうやら一度覚えたものは絶対に忘れないみたいだ。


 完全記憶能力とでもいうのか……それが私にもある。実際G-01が膨大なデータを記録してるんだから、私にどれだけその能力があって意味があるのか……というきはする。

 別段いらんだろってね。でもまあ、あって困るものじゃない。確実にね。かさばることもないし? それにG-01のマニュアルは膨大だ。そして実はG-01のマニュアルはどんどんと積み重なってるといっていい。


 どういうことだ? 


 ――と思うだろう。だってマニュアルが増えるって普通の感覚ではない。だってそういうマニュアルは買った時点の箱についてるものだろう。勿論紙とかでさ。

 だからその紙が自然と増える? なんて事はない。オカルトじゃないんだからね。でも今やマニュアルも紙の時代ではなくなったのだ。忘れてはないだろうか? 

 私は自身の脳の拡張と共にG-01のアップデートを繰り返してきた。そしてそのたびにG-01は新たな力を獲得してきた。細かなところも欠かさずに私はアップデートを繰り返してる。


 つまりは色々と内部も外部もかわってる。新しい武器を手にしたら、もちろんだけど新しい取扱説明書が必要だろう。そういう事だ。部品やパーツが変わると、もちろんだけど熱に対して弱くなったのか強くなったのか? とかだってかわる。出せる出力の変化だってある。 

 こういう組み合わせは相性がよくないとか……そんな諸々があるのだ。そのたびにマニュアルを引っ張っててはとても大変。そんな時にはこの完全記憶能力は役に立つ。


 私の記憶の引き出し方は完全にマニュアルといっていい。私の目の前には無数の引き出しが……いや、引き出しではないね。もうそんな古いのはない。

 ただ枠が一つある。そこにキーワードを入れるのだ。すると関連した記憶がまるで滝のように降りてくる。頭に湧いてくるような記憶。これはなかなかに私に万能感を与えてくれる。

 でも気づく。


「あれ? 不明なものはどうやって調べるんだ?」


 そもそもがどういうアップデートが頭になったのかわかんないからね。とりあえず、色々と考えて私は枠に『最新』と入れてみた。

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