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「いやいや、大きすぎだろ」


 俺は出来た城を見てそういった。だってこんなのは想定してない。魔王が無駄に力を使ったせいだろう。しかもなんかおどろおどろしい城になってる。黒くて変にとんがってるし……入り口がなんか巨大な生き物の骨になってるのもな……魔王のセンスが光ってる。


「魔王様、これは……」

「ふん、我に掛かればその場に城を作り出すくらい造作も無い」

「おおー!! なんと素晴らしい!!」


 魔王を必死に持ち上げるどら息子。流石にこの様子には先にテントに収まってた賞金稼ぎの奴らもなんだなんだと出てくる。


「「「何じゃこりゃあああああああああああああああ!!」」」


 賞金稼ぎの奴らの声が砂漠に響く。まあいきなり砂漠に城が出来てたら驚くだろう。わらわらと城の前に集まっていく賞金稼ぎの奴ら。でもそこでどら息子がしゃしゃり出てきた。


「止まれ! 貴様等のような奴らが近付いて良い物じゃないんだぞ! そうですよね魔王様」

「いや、別に」

「奴らは汚いですよ。この出来たばかりの城が汚れてしまいます」

「ふん、そんなことよりも俺は中に行く」


 魔王の腰ぎんちゃく化してるどら息子。魔王はどら息子を置いて城の中に入ってく。どら息子は一緒に行って良いのか迷ってるようでオロオロとしてる。どうするのかとみてると、しれっと魔王の後ろについて行った。流石は腰ぎんちゃくだ。そしてそのまま魔王と共に城の中に入っていって少しすると上機嫌でどら息子だけ出てきた。


「よしよし、皆はいっていいぞ」


 どら息子はそう言って女の子達を指す。その言葉に女の子達は喜んで城へと向かう。けど流石に入り口で躊躇するようだ。まああのドアだからな。


「ははは、心配する必要ないぞ。中は素晴らしいからな。私達の為に部屋も賜ったぞ」


 そう言って女の子達を抱き寄せて胸をムニッと無造作に掴むどら息子。それに対して女の子達が「いやーん」とか言ってる。自分たちが持ってきたテントよりも大分立派な城になったことで機嫌は直ったようだ。これから寝るまで城の中で色々とやるんだろう。


「あの我らは……」


 そう声を掛けるのは軍の隊長らしき人だ。まあそうだよね。彼等だって狭いテントよりかは城が良いはずだ。あれだけデカいのならスペースなんて十分だろうし。


「何を言ってる? 貴様等はテントがあるではないか。それを使ってろ魔王様は貴様等が足を踏み入れることを許してないぞ」


 そう言って高笑いしてどら息子は城の中に女の子達と共に消える。其れを見送る軍の兵士達が拳を握りしめてるのを俺は見てた。

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