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「ミレナパウス、行きます!」


 おあつらえ向きに通路の奥からニョロニョロと目玉が追加でやってきくれた。それに向かって彼女は突っ込む……かと思ったけど――


「うう……」


 ――となんか怯えてる。まあミレナパウスさんは聖女で近接戦はあまり経験はなさそうだった。だって彼女はあの世界では珍しい魔法使い。それに聖女という立場もあった。だからこそ、彼女はある程度距離が空いてる相手に魔法をたたき込むすべはあっても、接近戦の経験はなかった。

 それでいうと、あの世界での最後の戦い。あのとき砂獣の中に突っ込んでたけど、あのときはハイになってたんだろう。それにあのときは絶対に安全だっていう確信もあっただろうしね。けど今は……今のこのポニ子アーマーは今がぶっつけ本番だ。

 だからちょっと怖気づいても仕方ないとも思える。けどそんなミレナパウスさんの不安気な視線を受け取っても勇者は力強くうなづくだけ。それはきっと「ポニ子を信じろ」ってことなんだろう。そしてミレナパウスさんもそう受け取った。


「わっ!? ポニちゃん!」


 なんかなかなか動かないミレナパウスさんに業を煮やしたのか、ポニ子自らが動いたようだ。まあ全身を覆ってるわけだし、自身で動こうと思えばできるよね。ミレナパウスさんは細いし、中で抵抗してもきっと意味はない。


 ミレナパウスさんはポニ子に強制的に促されて前に進んでいく。ポニンポニン――という間抜けな足音を出しつつ、ホップステップで進んでいく。そんなミレナパウスさんに向かって早速目玉がその細長い機械の腕をつかって薙ぎ払う。それによって簡単にミレナパウスさんは吹っ飛ぶ。そして壁にぶつかってボヨンボヨン――とはねた。結構派手に何回も跳ねてた。でも心配はいらないだろう。

 だってかなりの勢いでぶつかった船の壁も別に損傷してないからね。まあ実際、壁と肉体がぶつかったらどっちがダメージを受けるのか? といえば、もちろんそれは肉体である。

 漫画じゃあるまいし、壁のほうがダメージを受けるなんてのは普通はない。けど勇者なら壁が崩壊したかもしれない。だって勇者やアイはただの普通の肉体じゃないからね。

 けどミレナパウスさんだけは普通の肉体だ。いやあの世界の人達は他の世界よりも頑丈ではあったね。けどどうだろう? 壁に打ち勝つほどだろうか? それはわかんない。


「あ、あれ?」


 ミレナパウスさんは気づいたようだ。派手に吹っ飛んだはずなのに、自身には全く痛みがないということに……

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