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 ポニ子アーマーをまとった勇者はその弾性の高さを利用して攻撃を弾き、さらにはこの狭い船内でスーパーボールのように壁を縦横無尽に移動しながら、目玉たちを倒していってた。

 それにだ。さらにいうと、ポニ子アーマーは変幻自在なのだ。なので一部分を伸ばしたりもできるわけで、それによって伸ばした部分を壁にくっつけてそっちに強制的に引っ張る……とかいうただの人間型の体では出来ないような動きをできるようになってる。

 それにちょっと離れて油断してる目玉にポニ子アーマーの腕を伸ばして掴んで引っ張ってくるとか、逆にいっきに近づくとか……その応用性は無限大だ。そしてきっとそれが楽しいんだろう。勇者はかなりポニ子アーマーが気に入ってる様子。

 

「よし、これなら……ミレナパウスさんもどうですか?」

「私ですか?」

「はい。これなら安全に近接戦もできる思います」


 そんなことを勇者は言い出した。まあ確かに、ミレナパウスさんは元の世界の体のままだからね。はっきり言って私達とは比べるべくもなくその体は貧弱だ。今だってG-01によって作られた小型の空気清浄機というか? ミレナパウスさんの周囲だけに作用する特別な装置をその腰につけてもらってる。そうじゃないと、彼女は生きられないからね。ただ息をするのだって、世界が違えば死に直結する行為になるのだ。

 勇者とかはそんな自覚はないだろうが、それは私達と旅に出たときにはもう勇者の体はG-01によって作り変えられてたからだ。その体はもうほぼすべてが機械のようになってる。

 だから生身ではない。ほとんど勇者にはその自覚はないだろうけどね。元よりも数倍、数十倍は強くなってるのはそのせいだ。それにだからこそいろんな世界へと対応できるようになってる。


 けど生身だとそうはいかない。だって普通はその生命活動を維持する基準はその世界である。生まれた世界基準なのは当たり前だろう。その世界で生まれたのに、別の世界の基準の体を持ってたら……それはバグだよ。

 空気があって水があって……とかはどこの世界にもあるかもしれないが、その内容を精密に分析したら空気といっても成分が違う可能性はあるし、水だって含まれてる何かが違うかもしれない。

 そうなったらただの生身の体だと、どうなるかわかんない。だからこそ、生身で世界を渡る……なんてのは危険極まりない行為だ。まあそれでも、ここにある船は……


 とりあえずミレナパウスさんは私達基準ではぶっちぎりの最下位で弱いということだ。戦闘面でもそうだけど、ただ生きるだけでも……ね。そんな女性に戦闘を? ある意味で勇者は鬼か? と思うね。

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