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 彼らがいう神がその世界の神なのか……それとも最初からメタリファーを狙ってたのか……それはわからない。でもこの船はここにいる。色々と残ってるデータを吸い出して行くと、見えてくることがある。

 けど大体の流れは、さっきの船と似てるところはある。元々が帰ることを想定してない船。それにこの船は船自体に食料を自給するような……そんな施設はなかった。

 前のでっかい船は、それこそ移民船でもあったから、あの船自体に様々な最新鋭の技術があった。船だけで社会が形成され、そして船だけで、生命を回すことができるようになった。

 でもこの船はそこまでじゃない。確かに進んだ技術は織り込まれてるが、流石に無から食料を生み出すなんてことは出来ない。それに……である。


 それに忘れてはならないのか、この船に乗ってたのは極一級の犯罪者たちだと言うことだ。この船にはそこそこたくさん、それこそ一ヶ月は中の人達が困らない食料があったようだ。

 そのデータもあったからそれは確実だろう。けどその一ヶ月は持つはずだった食料がいつなくなったのか……それもある程度は彼らの行動からわかる。


「なんでもうねえんだよ!!」


 そんな声が残されてて、艦内で食料の争奪戦とか起きてるからね。彼らには協調性なんてものはないし、自分さえ良ければ……という奴らの見本市である。なので一ヶ月の食料はなんと一週間でなくなってた。


 犯罪者たちだけでいさせると自制心ってやつが全く働かいらしい。なので別に事故が起こったとか、外からの侵略者によって皆殺しにされた……とかでは彼らの最後はない。


 もっと単純だ。バカバカしいとも言えるだろう。ただ単に彼らは食べるものがなくなって争って、そして全員で殺し合って死んでいった。


「こうやって見ると、こんな奴らをよく神の供物にしたよね」


 普通はそれこそ神への供物ってもっと徳の高いものじゃない? それこそ巫女とかをやってたじゃん。私の知識でいうならば、それこそ子供とか処女の女性とか……そんなのに神聖さを見出して、これなら神様も喜ぶだろう――という狙いがあったはず。


 けどこいつらの場合、ただの厄介払いとしか思えない。てかコイツラはただの未知への最初の犠牲でしかないんだろう。この船のデータは世界の拠点へと送られてるわけで、つまりはこの船がどういうルートをたどったのかは、それはこの世界の人達もわかったはずだ。

 だから次にはそれを参考にすることができる。もしかしたらこの船に乗せた犯罪者たちには都合よく、新たな世界の発見をしたら刑をなかったことに……とかの取引とかあったのかもね。


 まあけど、この船には不思議な信号を出す機能があって、きっとそれが神かなにかと更新を試みてたみたいだ。だから神への供物というのもあながち間違いではなかったかもしれない。そしてそれに反応したのが、神ではなく、メタリファーだった?

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