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「あれは我の眷属だ。まあ我には及ばんが、この街を廃墟にするくらい、簡単だぞ」

「そうなのですか? それはそれは……恐ろしい」

「ふん、貴様等が変な気を起こさなければ、あれをここで暴れさせたりはしない。変な気を起こさなければな」


 そう言って魔王は周囲の奴らに睨みをきかせる。その眼力にひるむ奴ら、むしろ逆ににらみ返して来る奴らと反応は様々だ。まあ俺達得たいの知れない強大な力をもった奴らだからな……いきなり信用して貰うのは無理だろう。寧ろここの全員に共通する認識は驚異って事だろう。それだけはきっと認識してる。ジゼロワン殿はその力を見せつけた。そして魔王があれが眷属だと言うことで、牽制したんだろう。


「おい、後でジゼロワン殿に怒られても知らないぞ」


 きっとあの方はここの会話も聞こえてるぞ。だが魔王は不遜な態度を崩すことはない。あくまでもここの奴らよりも自分が上位と言わんばかりの態度だ。


「ふん、あいつが自己で動ける事がバレる方がやっかいだ。奴らは我らが操ってると思ってるから、こうやって安心してるんだぞ。それに我らが操ってるとしてた方が、あれにば危害が及ばないし、ヘタな事も考え泣いたろう」

「魔王……お前……」


 なんかちゃんと考えてたんだな。なんかホロッとしてしまう。こんな自分の事しか考えてないような奴だったのに……まさか俺達に仲間意識でも持ってきてるんだろうか? そうだとしたら……少しは可愛げがあるじゃないか。


 まあ見た目は全然可愛くなんかないが……そういえばそろそろと癒やしが必要だ。前のパーティーには女の子が……と考えた所で出てきたのはなんかポニ子だった。あれ? なんか過去の仲間の姿が曖昧なような……


「勇者様、魔王様、お二人は何故にここに? その、本当にこの世界の為に来てくださったのでしょうか?」


 領主バジュール・ラパンさんはジャル爺の話を一番真摯に受け止めてたが、流石にこのテンション高い爺さんの話を全部信じた訳ではないようだ。いや、正しい。ただ偉い椅子に座ってるだけの人ではないようだ。自分の元いた世界ではただ偉いだけの奴とか結構居た。

 そういう奴は世界よりも自身の欲を優先させていたが……この人は違いそうだ。ちょっと安心できる。でもこの話をしたらがっかりするだろうか? でも実際、自分たちは別にこの世界を救う気は無いんだし、ヘタに期待を持たせるのもなんだろう。ここに来たのは単なる偶然……それははっきり言うべきだ。


「いえ、僕たちには目的があります。それはこの世界のサンクチュアリを探す事です。そしてこの世界に来たのはただの偶然で、僕たちは神の使者では……」

「いいえ、この世に偶然などあり得ませぬ! 確かにお二人には目的かあるのやも知れませぬ! ですが、きっとそのサンクチュアリなるもの、この世界に深く関わる事と思われまする! ならば、世界の根幹に通じてるのでは? それはこの世界の救済に繋がりませんか!?」


 おい、このジジイめっちゃ口動くぞ。なんかそんな気がしてきた。

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