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 どうやらやっぱり私の筋力というか、人の体の限界って物がG-01の性能の弊害になってたらしい。私が感覚的に操るひつようないじゃん。でも確かシンクロ率百パーセントの時は私でもG-01の身体能力を阻害してた気はなかった。


 シンクロ率百パーセントは例外なのかも? そもそもあの時って直接G-01の体を操ってて、私のこの体がその時どうなってるのかわかってない。


「今はポニ子も居るし、確認は出来るか……でも――」


 私は空に跳んだ。軽く動かしたつもりだけど、G-01は地面にヒビを入れて一気に飛び上がった。そして簡単にサソリと同じ高度まできた。


「うげっあつ――」


 軽々しく高く跳んだけど速攻で止めとけば良かったと思った。なにせめっちゃ熱い。まだ私は生身じゃなく、G-01の中に居るからマシだけど、生身でこの直射日光に当たりたいとは思わない。そのくらい熱い。中にも伝わってるよ。


 近付いてきた私に向かってサソリがその尻尾の針を向けてくる。でもそれを器用に避けて側面を抜けるサソリの尻尾を無造作に手のひらで私は止めた。一気に勢いを殺されたサソリの尻尾。


「おや?」


 なんかそんな気全くなかったけどG-01の指がサソリの堅い外殻を突き破ってるみたいだ。道理でかなりの勢いが一発で止まる訳だ。外殻を突き破ってるからか、傷みがあるみたいだね。サソリが五月蠅い悲鳴のような声を上げてる。更に止められた尻尾をまげて私に巻き付こうとするけど、その前に私は街から遠ざかる様に砂漠の方へとサソリを投げ飛ばす。


「あっこういうことになっちゃうね」


 ぐるぐる回して投げとはしたサソリだけど、なんか尻尾だけ私の手の中に残ってしまった。今までは直感的に掴む離す――そしてその強弱まで感覚でやってた。けど今はその感覚の部分を薄くして機械的な信号が逐一必要な状態だ。


 だから手を離すの忘れてた。普通なら離すのを忘れてるとあの巨体と一緒に体を持ってかれていくだろうけど、G-01はそんなことなかったせいでサソリの胴体だけ飛んで行っちゃったよ。ちぎれた尻尾はなんかビクンビクンと切り離されても動いてたが、ちょっとすると、塵のように消えていく。どうやら奴ら、体は死体も残さずに消えるみたい。


 まあジャルバジャルでも奴らの死体はなかったしね。滅亡されたからと言って全く反撃しなかったわけじゃないだろうし、この砂獣共の死体が一つも無いなんて事はきっと無いはずだよね。けど事実なかったカラクリは多分こういうことだろう。そもそも勇者が倒した時も消えてたと思う。


 とりあえず消えていく尻尾は捨てて、私はサソリを追った。上空から右足を前に出して、背中のブースターを吹かして勢いよく突っ込む。けどサソリも最後のあがきなのか、何やらその巨大なハサミをロケットパンチよろしく、放って来た。


「無駄無駄だよ!!」


 放たれたハサミを突き破る。その瞬間、なにやら紫の血なのか……それが霧状に噴射してG-01の装甲をとかしてたような? でも速攻で抜けたから被害はほぼない。そのまま足をサソリの脳天にぶちあてて、脳天を突き破り、私は巨大サソリの体内を駆け巡って尻の方から出て砂に着地した。


 ぐらりと揺れてサソリは倒れる。大きな振動と砂が舞う。それに併せて町の方から何やら歓喜の声が響いた。

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