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「それ以上、一歩でも動けば、お主の首が飛ぶぞ」

「ふん、面白い。やってみるがいい」


 既に一触即発の雰囲気だ。どうにか穏便に治めたいが、俺が動いてもバラク将軍と言う奴は多分動く。だからと言って、魔王の奴も既にやる気で止まりそうにない。どうする? やはりここはジャル爺さんが言うようにもう力を見せつけた方がいいのだろうか? 多分問題なく魔王は勝つだろう。だがやり過ぎてしまってはダメだ。恐怖の対象……新たな敵と認定されるとかは困る。ここで出来る事はこれしか無いか……


「魔王、殺すなよ」

「それはどうだろうな? 殺すつもりがなくても、相手が弱すぎると捻るだけで死んでしまうかも知れん」


 そう言って指をポキポキと鳴らしてる魔王。実際、俺もそれは確かに……とおもった。まだ俺達はこの体に完全に慣れたかと言えばそうではない。前の自分たちの力を出すのに、どれだけ抑えればいいのかすらわかってない。そして普通に出せる力がどれだけおかしいのかもこの三人ではよくわからないってのが本当だ。今の所、ただ出力がとんでもなく上がったのは確か。その状態で、今までの様に普通に力を使う気持ちで使うと威力が十倍くらいにはなってる気はする。


 なら、メチャクチャ抑えれば……とも思うが、抑えるのは案外難しくて、更にこの世界のレベルがまだわからない。ヘタに抑えすぎるとこっちが危険ってのもある。丁度良い案配ってのは案外わからない。だからそこが不安だ。かなり魔王が力を抑えたとしても、ヘタしたらこのバラク将軍と言う人を殺してしまうかも知れない。将軍とか言うんだから、かなり地位が高そうだ。そんな人をうっかりでも殺すと……色々とやっかいそうだ。


「魔王様、見せてくださいませ!!」

「任せろ!!」


 ジャル爺さんが魔王を余計にその気にさせてる。きっとジャル爺さんはうっかりでも魔王がそのバラク将軍を殺すなんておもって無いんだろう。いやあるからね。彼にとっては俺達は天からの使者。だからそこまでするなんておもって無いが、俺達はそんなんじゃない。それに魔王にとってはこんな世界の命なんて軽いだろう。もしもあのバラク将軍が死んだとしても魔王の心は一切動かないと確信できる。あいつはそういう奴だ。


「舐められた物だ。我が三日月の舞をみせてやろう!!」


 バラク将軍は大きく息を吸い込む。そして一気に地面を蹴った。乾燥した地面から砂埃が舞う。両手に持った歪曲した剣が何やら怪しく光ってる。そして不思議な事にその剣がいくつも別れた様に見える。そういう力を使ってるのか? そしてバラク将軍の三日月の舞が魔王の体にいくつも降り注ぐ。

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