牧師様
4ヶ月も更新してませんでした
ごめんなさい
毎回ごめんなさい言ってますけど今回もちゃんと反省しました
誠に申し訳ございません
「よぉ!!エルミニスターいるか!?」
芥川がギシギシ、と音を立てて教会のドアを開けました。
なんですかこの音。壊れる寸前じゃないですか!この国で一番神に愛されてる牧師様に与えられた教会が、本当にここなのかしら…?
「少し黙ってください」
「うわっ」
芥川が立っているところに生えていた草が、背丈ぐらいまで伸びて、そのツルが芥川を捕まえました。そして、芥川を天井にぶら下げました。あら、とても高い天井ですね。
なにか叫んでますが、ごめんなさい少し無視します。というか聞こえません。
それよりあのツルいいですね。前作っていた縛ったら解けないロープにこのツル使いたいです。
あ…ロープで縛っといたチンピラ、もしかしたら爆発してるかもしれません。今外は灼熱地獄ですからね、汗もかいてるでしょうし。
「牧師様。急に押しかけてすみません。実は少し相談がありまして…」
「これはすみません、お嬢さん。どうかいたしましたか?」
「えっと…あの、私よりも芥川のほうが説明が上手だと思いますので…降ろしていただけると」
「ああ、ついいつものクセで放置してました。すみません、今離します」
そう言うと、ツルがしゅるしゅる、と教会の壁の中に入っていきました。
ツルがなくなった芥川は、支えをなくして一気に落ちてきます。手をバタバタすると、段々と落ちるスピードがゆっくりになって来ます。
重力を操ってるんでしょうか…?
それと、芥川に説明を頼みました。
いざ牧師様の前に立つと怖くなって、喋れなくなるかもしれないからです。
「こんの…腹黒ッ」
「お嬢さんが求めるだけの働きをしなさい、馬鹿。いつまで天井にぶら下がってるつもりだったのですか」
「お前がやったんだろうが!」
「早く話していただけますか?そもそも、あなた達【権限】三の人を探してたんじゃなかったのですか?…諦めたんですか?」
「諦めてねーけど、その前に大事なことがあるんだよ。お前も関わってくるからちゃんと聞いとけ」
「…それは、お嬢さんからの情報ですか?」
驚いて叫び出そうとなるのを、貴族としての心構えを大切に大切に、と心を落ち着けます。
さすが攻略対象、というところでしょうか。一瞬で見破られました。いや、別に隠そうとしてたわけではないですけれども。
「ええ、そうです。時間がかかってもよろしいのなら、私から言ってもいいですけれど…?」
「…いや、アクタガワに任せますよ」
一歩退いてこちらから譲歩すると、探るような視線を向けたあと、何を考えているのか分からない微笑を顔にうかべました。
牧師様は、おそらく頭の回る方です。そして、冷酷な判断もくだせるのでしょう。
牧師様のような方は、きっと私の存在が友人の芥川を傷つけると判断したら、私のことを殺すのでしょう。
今しないのは、私が芥川を専属騎士にしたため、私のことを守ろうとする芥川との対立を望まないからでしょうか。
「じゃあ、俺が喋るけど…訂正があったらお嬢さん言ってくれ。それと、エルミニスター、質問は俺じゃなくお嬢さんに聞いてくれ」
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「大体話し終わったか…?お嬢さん、話してないこと何かあるか?」
「いえ、ありません。牧師様、なにか質問はありますか?」
「ないです。…ただ、」
牧師様が一旦喋るのをやめて、こちらを見ます。
最初に王子のデスパーティで見た時の優しい笑顔が欠片も見当たらない鋭い目線で私を見て、
「お嬢さんは、本当に信用に足る人物ですか」