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裏ルート:攻略対象

一ヶ月以上更新止まっていました本当に申し訳ございません!!

待っててくれた方ありがとうございます本当にごめんなさい…!!

「そういや、芥川は元の世界に帰りたくないんですか?」


 牧師様が芥川に、最終確認?的な書類に署名させて出ていった後で、わたくしはそう聞きました。


「へ?俺?

 どうだろうな、自分でもよく分かんないけど…俺は凄く帰りたいって思えなくなってきたかもしれない…かもな。

 …お嬢さんは何でそう思ったんだ?」



「なんとなくですけど…牧師様と話してる時に、芥川が凄く楽しそうだったのが一つ目ですわ。

 それから、私が日本での記憶を持っている、と話した時に驚いていたけど日本に帰る手がかりが掴めた、みたいに喜んではいなかったことです」


 私はまだ心のどこかで日本に帰りたい、と思ってるのかもしれません。いや、きっとそうなんです。


 私はやっぱり、死にたくないんですわ。

 回避しようと頑張ってますけど、もし出来なかったら?

 この世界(乙女ゲーム)が私が幸せになることを、許してくれなかったら?

 …そうやって、考えてしまうんです。


 でも、芥川はそういった感情を感じられなかった…あくまで勘ですけど。

 貴族にとって時に勘を頼りにしなくてはいけない場面も出てくるので、人並み以上には当たりますの。


 それと、牧師様と話す時に楽しそうだった…この世界にいることを受け入れている?ような気がしたので、そうじゃないかな…と思いました。



「…もう、自分自身が分かんねぇけど…俺はさ、日本に帰ったとて居場所がある訳でもないんだ。

 牧師アイツといるのがいつからか当たり前になって、この世界に居場所を見つけたから…もう、帰りたくないかもしれない。」


「居場所がある訳ではない、ってどういう事ですか?」



 少し…泣きそうな?顔をして、私から目を逸らしました。


「この世界に来てから何年も経っているのと…もう一つは……悪い、こればっかりは話せない」


 気になりましたが言及はしませんでした。

 …言いたくないことを無理強いさせるつもりはありませんので。

 誰にだって人には言いたくない事の一つや二つはあります。…私にもありますし。



「それよりお嬢さん、どうやって【権限】三を探すんだ?」


「…そういや手がかりとか何一つないですね…」

 しかも存在しているかどうかすら分からない状況です。




 牧師様には「頑張って見つける」と言ってしまいましたが、実際に探すとなるととてつもなく大変だということが分かりました。


 とりあえず街に出て、中央図書館に行って書物で探してみよう、ということになりました。

 私は公爵令嬢(一応)なので、バレないようにと変装をして行きました。

 芥川はまだそこまで有名ではないので、そのままです。一部の貴族にはもう王子のパーティーでのことが伝わっているようですけど。



「乙女ゲーム?って俺やったことないから分かんないんだけど、お嬢さんは一応…悪役?なんだよな?

 それじゃあそのヒロインを虐めなければ大丈夫なんじゃないのか?」


「それがよく分からなくて…家族に、殺されるENDは回避したと思うんですけど…

 学園に着いた途端に、わたしの意思に関係なく、突然絶対に虐めないと気が済まなくなったり、誰も信じてくれなかったり、ひとりでに証拠が出来るとか有り得ないわけじゃないですし…

 こればっかりは、学園に着かない限り分かりません」


「…それと、何故この乙女ゲームの題名すら聞いた事の無い俺が巻き込まれたか、だよな…

 俺はその乙女ゲームに登場する人物ではないんだろ?」


「はい、多分…モブキャラの名前を全て覚えてはないので断言出来ませんけど…って、あーーーー!!!」


 突然叫んだ私に驚いて、芥川は目を丸くしました。

 街ゆく人達はチラリと見たあと、すぐに元の生活に戻っていきました。


 そんな中、私は…


「牧師様…エルミニスター=ラダガスト・ルーン様は裏ルートの攻略対象でしたぁぁぁあああ!!」


「は…はああああああああああぁぁぁ!!!??」



 シルヴィア・アンドリア・エリオットとして生まれ変わってから初めて本当に心から、恐怖を感じました。

 それは、近い未来に知人に殺されるかもしれない、という可能性が浮かび上がってしまったことにです…

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