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爆縮と体温の機知(2)

ナップサック

忘れ物をしたから

学校から走った

往復で

四キロくらいの距離

30分もあれば

行って帰れるだろう

許可を貰って

学校から走った


誰も歩いていない道

通り過ぎる車も

少なくなって

仕事用の車が

走り始めている

結局

何を忘れたんだっけ

忘れそうになったから

少し歩いて思い出した


なかなか無いから

運転席から見られていた

もしくは

その記憶があるのかもしれない

時間がズレただけで

事情があるように見られるのは

学生の特権かもしれない

それまでの道筋が

ちゃんとしていればの話だが


家に辿り着いたら

母親の顔

「忘れ物をした」の声を

笑った後に

「馬鹿じゃないの」の声を

付け足した

忘れ物を

簡単なナップサックに入れて

片手に背負うと

「飲んで行きなさい」と

林檎ジュースのコップ


飲み干して

「行ってきます」

受け取って

「行ってらっしゃい」

小さな色に

守られているから

明日のことなんか考えず

机に向かえるのだろう

行って戻る制服は

大人に

守られなくちゃいけない証だ


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