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第十二話 幕間・壊れた蒼海女帝

 ニアロード帝国には、世界に誇る三人の姫が居る。


 その内の一人にして、帝国第一王女のアルマもまた、人魔の大戦の頃に大きく名を馳せた英雄でもあった。

 明晰な頭脳を持ち、遠慮のないクールな言動と、冷静沈着な判断力で他者を扇動する。

 第一王女としての立場から、常に責任感を持った生真面目な性格をしており、敵には厳しく非情に徹して恐れられているものの、民や臣下たちからの信頼は厚い。

 ティアナと同じエメラルドの瞳。そして、空のように「蒼色」に染まった長い髪。

 英雄の力と、気品溢れる姫の美貌を兼ね備えたアルマは、世界より、『蒼海(そうかい)女帝』と呼ばれていた。

 だが、その女帝は今、船上の自室のベッドの上……


「うっ、ぐっ……ううっ……」


 絶望の夢の中に居た。

 大量の汗を噴き出し、苦しみの中で何度も悶えていた。

 眠りの中で何度も思い返すのは、数年前の、ある一人の男との初めての出会い。


―――お前がジオか。ティアナから話は聞いている。今回の海戦では、私の副官として尽力してくれることを期待する


 かつて、大物の海賊との一戦を前に、帝都より助っ人として一人の男が派遣された。

 アルマにとって、その男は幼い頃よりティアナとよく口論をしていたので、顔と名前はよく知っていたが、実際に対面して話すのはその時が初めてであった。


―――へへへ、尽力どころじゃないですよ! 俺はただ手伝いに来ただけじゃねぇ。この帝国の海を汚す奴らをぶちのめし、帝都に続いて今度はこの海に俺の名を広めて、俺を認めさせてみせる! そのためにも、敵船長の首は俺が獲る! ……獲ります……です。


 まともに敬語もうまくできない。学も足りない。荒っぽくて、育ちもあまりよくない。そして、流れる魔族と人間の交じり合ったハーフの血。

 アルマにとっても、他の海兵たちにとっても、あまり良くない印象での出会いだった。

 しかし、その男は常に生き急ぐかのように全力で戦い抜き、その燃えるような闘争本能と生命力は、共に戦う海兵たちの士気を大きく奮い立たせ、気付けば海上の将軍として、男は多くの兵たちを率いて戦った。

 そして、窮地に陥った仲間を、そしてアルマの命を何度も救った。



―――ここまでボロボロになってまで助けてくれたことに礼は言う。しかし、ジオ……私をあまりか弱い女扱いするな。兵たちの士気に関わる。私も姫とはいえ、戦場で戦う者として、最悪の覚悟は常にしている。私が死んでも、ティアナたちが居る。しかし、お前の持つ力、そして将としての代わりは居ない。お前ももっと自分を大切にしろ。


―――いいじゃないすか。それと、男の願望を言わせてもらうと、女なら弱い方がいいと思いますよ? 提督だろうと姫だろうと、その方がこっちもやる気が出るんすよ!


―――な、なんだと!? 貴様、無礼だぞ! そのような男尊女卑な思想は、私への侮辱だと知れ!



 姫であろうと、戦場で戦う自分を、アルマは特別扱いされたくなかった。

 宮殿の中では「姫」という肩書で誰もが自分を特別扱いし、敬い、すり寄ろうとしてきた。

 しかし、海に、そして戦場に出れば、自分もこの広大な世界においてはちっぽけな存在の一人に過ぎず、誰も特別扱いをしない。

 戦場であれば、「姫」ではなく、「アルマ」として誰もが自分を見てくれると思った。

 だからこそ、その男のような自分に対する特別扱いや、女を軽んじるような考えは許せなかった。

 しかし、その男は、アルマを独特な考えで特別扱いした。



―――俺みたいな腕っ節だけしか誇れねえ頭の悪いバカにとっちゃ、女が弱ければ弱いほど、それを守るために闘争本能が湧き上がり、その時こそ俺の存在意義を証明できんのさ。別に姫様のためじゃねえ。俺は俺のために、姫様にはか弱くあって欲しいんだよ。ティアナはあんなだし……


―――な……なんだ、その女に対する傲慢な考えは……


―――傲慢でもなんでも、それが俺なんだ……ですよ。だから、ドンと構えてくださいよ。ただ、約束します。この海の上に俺が居る以上、あらゆる全てのモノから、俺が姫様を守ってみせますから



 そして、慇懃無礼な態度が時折見えることもあったが、その生き様や言葉の一つ一つが、アルマの心を揺るがした。


―――まったく……よく分からない理屈をベラベラと……お前、女にモテないだろう?

―――うぐっ!?

―――ふふふ……だが……お前のような男は、初めてだ。


 気付けば、その男に感化されて、アルマ自身も徐々に心にゆとりを持ち始め、その男の前であれば、か弱い乙女になるのも悪くないとすら思い始めた。


―――ジオ、いくぞ! 私の背中は、お前に託した!

―――了解っす! この背中、海賊王が相手だろうと守ってみせます!


 そして、いつしかその男が自分にとって、最も信頼し、部下として、仲間として……



―――ジオ……まったく……また、お前が敵船幹部を討ち取ったのだな? 少しは私の手柄も残しておいてほしいものだな。


―――へっへー! 海軍は海軍で勲章があるんだ~! 新しい勲章一つ目ェ! へへへ……


―――んもう、子供のように見せびらかして……ふふふ……こら、いつまでもニヤけるな。戦いはまだまだこれからだ。これからも、私と共に一緒に戦ってくれるな?


―――よっしゃ、もっともっと手柄を上げまくってやる! 任せてくれっすよ、アルマ姫!


―――ああ……頼りにしているぞ。



 ……そして男として側に居て欲しいと思うようになるまで、それほど時間はかからなかった。


―――分からない……お前の……所為だ! 寝ても覚めても、お前の事しか考えられない。時折、お前が私の夢の中に出て、私を抱きしめる。でも、夢の中で抱きしめてくれたはずのお前が、目を覚ますと幻だと分かり、とても切なく心が揺れ動いてしまう。私を……こんな女にしたのは、お前なのだから……ちゃんと責任を取って欲しいぞ。


 生まれて初めて自分も普通の女と変わりないのだと、アルマは気付かされた。

そして気付けば自分はどこまでも貪欲で強欲になってしまった。

 その男の前では、自分は誰よりも女でありたいと思った。


―――ちょっ、あ、アルマ姫ぇ、お、俺、ちょ、そういうつもりじゃ……ふ、服着ろって、か、着てくださいって!

―――そうか? 私も知識だけだけど……こういう状況で男が逃げる気か?


 淫らな女のように、迫ったこともあった。


―――ちょっと、アルマお姉さま! 様子を見に視察に来てみれば……人の駄犬に何をしているのかしら!?

―――ティアナ、お前は下がってろ。こ、こほん。いいか? ジオはな、お前のように傲慢で自己顕示欲の強い女より、しっかりとした少し年上ぐらいの女が丁度いいんだ。


 そのためなら、素直になれない妹の気持ちを知りながらも、体を使って奪おうとすらした。


―――姉妹とはいえ、譲れぬものはあるの。ならば、力づくで渡さない。どっちが、ジオの所有者か勝負よ!

―――いいぞ。ジオを悦ばせることができたほうが勝ち。それでいいな!


 三人で口に出すのも憚られるようなことも経験した。

 アルマにとっては恥ずかしく、しかし今思えば幸せだった日々かもしれない。

 だが、そんな愛欲に溺れた幸せだった日々は、自分が気付かぬうちに崩壊していた。


―――言え! 我ら帝都に潜入した細作が居れば、全部吐き出せ!

―――アルマ、ひ、め……お、俺は……

―――無礼者! この私の誇り高き名を、薄汚れた口で呼ぶんじゃない!


 血に染まり、ボロボロに痛んだ体で拘束された、帝都を襲撃した魔族。

 帝都に致命的なダメージを与え、多くの犠牲者を出した戦犯として、その男をアルマは監獄島へ連行。

 その際、自身の愛すべき国と国民を傷つけ、深い悲しみを作り出した元凶に対するアルマの怒りは常軌を逸した。


―――この戦乱の世、甘えも妥協も一切許されない。一瞬の情けが……またこのような悲劇を生み出すのなら……

―――ッ!? な、なにをっ!? っ、あ、るま、姫! 俺だ! なんで、なんで俺のことを分かってくれねーんだよ!?

―――そのためなら、私は鬼にだってなろう!


 拘束した魔族を尋問しながら、アルマはその魔族の指を斬り落とした。



「うっ、あ、あああああああああああああああああああああああっ!!!!」



 そして、悪夢はそこで覚める。


「はあっ、はあ、はあ……っ……はあ、……夢……っ……」


 しかし、目が覚めただけで、悪夢のような現実に何一つ変わりない。

 アルマは汗にまみれて震える体を自分で抱きしめながら、込み上げる吐き気と、自身に対する怒りと失望の涙が抑えきれなかった。


「ジオ……ジオ……ジオォ……」


 噛みしめる唇から、そして爪が食い込む皮膚から血が流れようとも、アルマは自分で自分を殺したくなるほどの想いを抱いていた。


「姫様ッ! どうかなされましたか!?」

「提督ぅ!」


 そのとき、アルマの悲鳴が聞こえたのか、部屋の外から慌ただしく声が響いた。


「っ、問題ない! それより、今、船はどこに居る?」

「あっ、その……一応、目的地には既に……」

「ッ、な……何故すぐに起こさない!」


 急いでベッドから体を起こして、壁に掛けていた自身の軍服に手を伸ばすアルマ。

 既に船は航海を終えて停泊しており、その瞬間自分は寝坊をしてしまい、ありえない失態を犯したとアルマは顔を蒼白させた。


「申し訳ございません。その……昨晩から提督は体調が悪そうでしたし……何せ、急に倒れられたものですから……『ホサ大佐』の指示で、このまま休んで戴こうと……」

「そうか。そうだったな……ここ数日まともに眠れなかったものだから、私は操舵室で意識を……情けない!」


 自身に何があったのかを思い出し、舌打ちするアルマ。

 ここ数日、仕事が忙しいのもあったが、とにかく寝ることができないほど、アルマはあることに苦悩していた。

 だからこそ、久しぶりにグッスリ寝たというのに、憂鬱な気持ちは一切変わることなく、心も重いままだった。


「それより、着替えるからドアは開けるな」

「あ、は、はいっ!」

「それと、そのままでいいから、『例の件』も含めて報告しろ」 

「……は、はい。航海は順調で、『港町エンカウン』に無事到着。学生たちも下船し、体調を崩した者もなく、既に町長への挨拶などは、ホサ大佐が仕切って無事終わりました」

「……そう……で……『例の件』は」


 ドアの向こうから報告する部下に対し、より一層重たい口調でアルマは尋ねる。

 すると、ドアの向こうの部下からは、言いにくそうにしながら、アルマが一番気になっていたことを口にした。


「その……監獄島から消えたという……ジオ将軍の行方は……帝都の騎士団も捜索しているようですが、未だ不明とのことです……」

「……そう……」


 その報告を聞き、着替えていた手が止まり、ボタンをかける手を震わせながら、アルマは俯いた。


「それで……帝都の状況は? ティアナについては?」

「……ティアナ姫は未だに自室から出られず……食事もほとんど口にされていないようです」

「そう。無理もない。私も……大魔王が死んだ『あの日』のことは今でも……世界が平和になった喜びをまったく感じることなく……ただ……自分で自分が許せない」

「提督……」

「今でも鮮明に覚えている。私がジオに放った言葉。行った尋問の数々。そして……ジオの指を斬り落とした感触が、決して忘れられずに私の手に生々しく残っている……」


 再び着替える手を動かしながら、アルマは等身大を映し出す鏡の前に立ち、自分の顔を見て嘲笑した。


「ひどい顔だ。これが私か? 帝国の英雄を……仲間を……恩人を……愛した男を地獄に叩き落した悪魔の顔……まったく、殺してやりたいものだ」

「……ちょ、姫様ッ!?」

「……安心しろ。自殺なんてする気はない。少なくとも……もう一度ジオに会うまでは……」


 そう言って、アルマは自嘲しながらも淀んだ瞳で顔を上げて、自分に言い聞かせる。


「そうだ。このような状況でも帝国の姫として、海軍提督として、どれほど苦しもうとも、私まで壊れるわけにはいかないからな。私は大丈夫だ」


 ただ、それは……



「そう、私にはまだ役目がある。必ずジオに償いをして連れ戻してみせる。例えジオがそれを望まなくても、だからといってその事実から逃げるわけにはいかない。それこそ、責任からの放棄だ。ジオのかつての上官として、主君として、そして愛した女として、決して許されぬ罪を犯したその償いは何があってもしなくてはならない。その結果、ジオが私たちに死を望むのであればそれもやぶさかではないが、ジオ自身が望むまでは、この命を私たちがどれほどつらいからといって自分で自分を殺すようなことをするわけにはいかない。私たちの命はもう私たちが好き勝手にしていいものではない。私たちの命はもうジオの好きにさせたい。その結果、ジオが私たちに死を望むのであれば、その時はそれに従おう。私はもうジオのものだ。そして、逆もそうだ。ジオは私たちのもの。そうだ……そう……ジオは私たちの男。ジオをこの世で最も愛しているのは私たちだ。ジオが最も愛した女も私たちだ。だからこそ、ジオを幸せに出来るのは私たちだけ。世界中の誰よりも私たちこそがジオを幸せにできる。私たちこそがジオの居場所。許されざる罪も過去も全て抱え、ジオが望むのならこの身をいくらでも傷つけ、何本でも指を斬り落としても構わない。ジオ……私のことを好きなだけ殴ってもいい。蹴ってもいい。地べたに這い蹲って、足の指だって喜んで舐めてみせる。私の地位も肩書も関係ない。首輪をつけて犬のように四つん這いになって歩き、ペットのようにどんな命令だって忠実にこなして見せる。ジオが望むのなら私もティアナも末妹のあの子も含め、そしてジオに惚れた全ての女たちで並んで股を開いたって構わない。死ぬほど犯してくれて構わない。乱暴に壊してくれても構わない。精処理道具だろうと性奴隷になろうとそれでジオがほんの僅かでも憎しみが晴れてくれさえすれば。だからジオ、私たちから離れてはダメだ。たとえお前が帝国から離れたって、私たち以上にお前を幸せにできる女たちは居ないに決まっている。傷ついたジオを癒すのは私たちしか居ない。いや、仮に居たとしても渡さない。ジオは私たちのもの。私たちだけのもの。あの荒々しい性格も体も受け入れるのは私たちだけ。そう、私たちだけ。三年の空白と裏切りの日々が私たちの絆を断ち切ったとしても、必ずもう一度紡いでみせる。そしてもう二度と忘れない。憎き大魔王は死んだのだから。そう、あの史上最悪の悪は殺した。本当ならズタズタに腹を切り裂いて臓腑を抉りだして、生きたままサメにでも食べさせてやるぐらいの苦しみを与えてやりたかった。私とティアナを始め、私たちがジオと結ばれて多くの腹違いの息子と娘たちが帝国と世界を支えて恒久の平和を作り上げるという私たちの壮大な夢を壊した、あの外道を。しかも今、魔界は大魔王が死んだことにより混乱に陥り、より一層地上世界に危害を加える恐れもある。その時、第二第三の大魔王が現れて再び私たちの幸せと夢を壊すかもしれない。そう、やはり大魔王となる恐れのある魔族、いえ、いっそのことこの世に存在する魔族全てを葬り去るほど思い切った正義が必要になる。そう、戦争はまだ終わっていない。魔界へ攻め込み、この世に存在する魔族を全て皆殺しにしなければならない。それこそが、自殺もせずに三年間も愛する人を忘れてのうのうと生きていた私の天命。そして、それが私たちの償いになる。ジオへこの身を曝け出して償い、今後ジオを私たちから奪おうとするものを予め葬り去ること。それと、法改正も必要だ。やはり魔族を皆殺しにするにあたって新しく作られた法律は温すぎる。ただ、魔族に対して虐殺を許すにしても、半分とはいえ魔族の血が流れているジオへの配慮が必要。今後、ジオを国宝級の扱いとして、ジオに対するほんのわずかな中傷や、かすり傷一つでも負わせたものは家族親戚含め一族全員死刑にする法律を作る必要がある。生爪と生皮を剥いで、剣で切り刻み、刻んだ傷口を刃先で三日三晩抉り続けてから殺す。それぐらい大胆な罰を与える法律を作れば、誰もが恐怖して法を破ろうとしなくなる。そうすれば、ジオは誰にも傷つけられず、ジオを愛するものしかいない楽園が築き上げられる。そうすれば、ジオもいつかもう一度私たちに笑ってくれるかもしれない。ジオがもう一度私たちに笑い、そして愛してくれる未来を得ることが出来るのならば、この世の全てを引き換えにしてもかまわない。それを妨げるものは全て敵。そのためなら、たとえ勇者が文句を言おうとジャマをさせない。私たちからジオを奪う恐れのあるものは、もはや魔王も勇者も神であろうと殺してみせる。ジオ、だから必ずもう一度会いに行く。そしてまずは謝罪をさせてほしい。そしてその後、この私を思う存分にいたぶって、ほんのわずかでも心を晴らして欲しい。ただ、一つだけ言わせてくれ。私は、この三年間この身体も心も他の男に許したりしていない。私は三年前のお前が知っている私のままだ」



 自分でももう気付かぬほど堕ちて……


「ジオ。もう一度必ず会って……償いを……そのためには、どれほど苦しくとも、私まで心を壊すわけにはいかない」


 ……既に壊れてしまった女の、寒気のするような独白だった。

 その独白をドアの外で聞いていた部下は、恐怖で震えて腰を抜かした。


「ジオ将軍……どうか……たす……けてください……ティアナ姫だけではなく……アルマ姫まで……もう……」


 変わり果ててしまった敬愛する主君にして上官の姿と、そして自分たちも忘れていたかつての戦友でもあった男のことを想い、ただ涙するしかなかった。

 そして、その時だった。


「大変です、アルマ姫は!? いま、街で……アルマ姫!?」


 慌ただしい声が船内に響き渡る。

 何があったのかと、丁度軍服に着替え終えたアルマが廊下へ出ると、兵の一人が片膝ついて肩で息を切らせながら……


「トラブルです! 何やら、冒険者ギルドで、学生たちが誰かとトラブルを起こしているようで……そこに、魔族も居るという報告も……」

「……何だと?」


 その報告を受け、アルマは氷のように冷たい瞳で歩き出す。


「分かった。生徒たちに何かあっては責任問題になる。私が直々にそのトラブルを……処理する」


 そう告げて、アルマは運命の瞬間を迎えることになる。



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書籍書影(漫画家:ギャルビ様) 2022年4月6日発売

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