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世界が優しければ

作者: 水無月 狐鉄

彼女が自ら命を絶った。

享年24歳

残されていた遺書には

“疲れたので旅立ちます”

とだけ書かれていた。


その次の日の夜に彼女の葬儀が行われた。

呼ばれたのは親族と彼女の数少ない友だち数名。

小さな祭場で彼女の入った棺を囲んで

「どうして自殺なんか」や「バカじゃないの!」

などのおのおおの言葉を泣きながらかけていた。

皆彼女の死を悲しんでいる。

そんな中、誰かが

「世界がもう少しだけでも優しければ

 彼女は死ななくてすんだのかな?」

そう小さくつぶやた。


確かにそうかもしれない。

でも、多分そうではない。

だって、世界は優しかったからこそ

彼女はこれだけの彼女を想う人達を用意してくれたのだから。

世界は優しかったからこそ

彼女に死という選択肢を残してくれていたのだから。


さて、ここまで言葉を連ねておいて何なのだが

別に彼女の行いが正解だと思っている訳ではない。

ただ、彼女が懸命に選んだ選択を責めてしまっては

彼女がかわいそうだ。

そう、思っただけ。

だから、僕が彼女へとかける言葉は


「お休みなさい。

 良い夢を」


そして


「また来世」

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