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私が見つけた星屑のかけら。  作者: たけさん
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青春の一歩!?

 迷っています。

 私、中崎文香は、この三年間の輝かしい日々を決める「部活」に。

 私が入学したこの藤花高校はいろんな「輝き」を持った部活動がいっぱいあって、私はその魅力に、それ以外にもありますが、少なくとも一番は、この学校が輝いて見えたのでした。

 そして今日は、多くの部活が自分たちをアピールし、これからの部の繁栄と衰退を決める大事な日。私たちから見れば、失敗の許されない一大イベント。体育館でのアピールが終わり、この学校の特徴的な銀杏並木には勧誘の列が大きく私たち新入生を囲んでいます。それを見て思いました。

 いざ行かん!輝かしい日々へ!


 ……いや、待ってください!!私が想像していたのは……。こんな、狂ったような勧誘ではありません。確かにこの学校には部活動が多いですが、まさかここまで熱狂するとは想像だにしませんでした。

 スポーツ系の方々はキラキラの笑顔で「青春ありますっ!」といったような調子でどこも勧誘し、かたや文化系の方々も大声、高らかに私たちに「青春したいなら入りたまへ!」と告げるのです。

 中には強引にチラシを渡し、フレンドリーに話しかけて、手を引き、説明を聞かせたのち、入部届けに……、などとあったり。

 いけません、何としてもここを抜けなければ、私は強制他律のような三年間を過ごしてしまします!

 私は背を低くし、新入生も在校生も解らなく入り混じった人波を潜るようにかき分け、ひとつ気になっていた、学校の芝生広場に出ました。静かでした。体育館から教室とは別方面ですから、当然ですが。しかし、やはりひとつ気になりました。大きな半紙に何か文字が書いてあって、それが飾ってあります。書道部でしょうか?私は興味の赴くまま、そこを覗きました。

 

 そこにはいつか、テレビで見たことのあるマス目の入った木の盤と、駒がありました。

 「将棋」でしたっけ、昔、お祖母ちゃんに動かし方を教わった記憶がありますが、忘れてしまいました。

 こんなところで将棋なんて、そう思った私が顔を上げると。私は見とれてしまいました。何にかといえば、盤に目を向けるお二人の先輩、その目の凛々しさに私はやられてしまったのです。

 そうして黙ってみていると、後ろから声をかけられました。

「まあ、入部希望者?」

 そのしとやかな声に私は即座に「はい。」と答えてしまいました。

 それを聞くとその先輩は、将棋をしている一人の方に声をかけます。その人は立ち上がると少し驚いていて、この時、私が見ていたことに気づいてなかったんだなぁ、と思いました。

 そして、髪を整えてその人は私に問いました。

「この文字が読める?」

 私が指の方向に目を向けるとそこには大きく「玲瓏」の文字がありました。

 な、な、なんと読むのでしょう……、一文字目には「命令の令」がついているから「レイ」なんでしょうけど……。私が迷っているとその人はもう一回同じ問いをしました、その声はすくい取った湧き水のように透き通っていたのです。ここは一か八かです。この声を聴いた私ははこの瞬間に用意のできた言葉を言いました。

「解りません、解りませんけど、私はいま先輩の声を聴いて、この字は先輩のことなんだろうな、なんて思ったんですけど。どうですかね、合ってますか?」

 すると先輩は目を一瞬見開いたかと思うと、すぐに微笑を浮かべこう言いました。

「残念だけど、それは違う。」

 そうでしょう、私が下を向きかけるとその人は私の肩に手をかけて、私を向かせました、そして、私に大海原を見せるような目で語りました。

「でも、私は貴女が気に入ったわ。どうぞ、お入りなさい。私たち、藤花高校女子将棋部へ。」

 私はそのきれいな声と瞳、そして差し出された手、一つに縛った髪の毛の揺らぎに見とれてしまい、私は返す言葉がワンテンポ遅れてしまいました。

「あの、よろしくお願いします!中崎文香です!」

「私は、皆瀬怜子、こちらが部長の伊藤浩美先輩よ、よろしく中崎さん。」

「はい!」

 こうして、私は将棋と皆瀬先輩に出会ったのです。

 初めまして、「たけ」と申します。

 このたび初めて連載物を書かせていただきます。テーマは「将棋」です。にわかに、人気が出始めているものであり、私もこの作品を通して、皆さんに将棋という「知の格闘技」の魅力に気づいていただければと思います。

 これからの物語、新しいキャラクター、戦い、そしてその戦いの先の友情!

 すべてのキャラクターを応援していただければと思います。

 最後に、今回の話を読んでくれた読者の皆様に感謝します。

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