表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

 僕は方向音痴だ。

 その上地図も読めない。

 GPSが発達した現代に生まれていなかったら生きていけないだろう。家に帰れなくて名も知らぬところで野垂れ死にしていただろう。

 困ったことに僕は知らない道を通るのが好きだ。

 時間がある時は知らない道を選んで進む。そして迷う。当たり前のように迷う。

 普通の人なら心寂しく思うだろうが迷子のプロの僕は大丈夫、慣れてるから。

 来た道を戻るなどというつまらない事はしない。知っている道に出るまでひたすら進む。

 迷うという事が楽しいのだ。

 知らない道を歩くと周りがよく見える。

 道端にさく小さな花や眠そうに伸びをするねこ、あたたかに色付く自分のほほ。

 季節の訪れを感じる。もう春なのだ。

 僕は春が好きだ。というか嫌いな季節がない。どの季節もそれぞれの良さがある。

 強いて一番を決めるなら秋だと思う。

 秋の夜空に気持ちが吸い取られるような感覚がとても好きだ。心が空っぽになってちがう自分になれる気がする。

 「空にすわれし15の心」とかいう詩があった気がする。うろ覚えで申し訳ない。もっと長かった気がするし、15だったかどうかも怪しい。

 人の記憶なんてこんなものなのだろう。

 ただ僕は記憶力はいい方だと自負している。その中で一番苦手なのが人の名前だ。

 モノの名前なら姿形、役割から名前を付けていることは少なくない。

 一方、人の名前は見た目から名前が付けられることなどない。だから苦手なのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ