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筋金草が折れ曲がり
筋金草が折れ曲がり、黒い亜気が渦を巻く。
鋼荊からいくつも刺が生えて、痛みが身体に埋まっていく。
それでも抱き擁したいと思うのだ。
群銀星は夜霧に溶け出していく。
骸骨たちと、皮膚たちと、血潮たちは喰らい尽くして、でもまだ足りない。
底水に追いつかれてしまう。
足斬苔の上を走るのもあと僅か。
せめて雨上がりなら虹蛇を掴めたのに。
終わりは炎藻に頼るしかないか。氷塩があればよかったが致し方ない。
異門を開けて、三日月腕で掻き出す。少し電霊が漏れた。焦っているのだろう。
目合え、絡まれ、溺れろ、どのみち呪法に侵入される。
雨水のように重なる光の輪。猶予う薄白い麻の実。
穿孔葉を踏む。砂火が散って、すぐに静寂が訪れた。




