ある少女の日記
4月4日
おにいちゃんは今日もすてきだ
きれいなよるみたいないろのかみ
きれいなくろいひとみ
すらっとしていてかたいからだ
おはなしの中の王子さまが飛び出してきたようなお兄ちゃん
今日もせいふくをきて出て行った
4月11日
おにいちゃんは今日もすてきだ
今日は部活のあされんがないからと中までいっしょに学校に行った
おにいちゃんはおひさまみたいに笑う
まるでてんごく
あされんがなければこんなてんごくがくるんだ
4月28日
今日からおにいちゃんは一週間がっしゅくというものに行くらしい
いやだ
おにいちゃんと一週間もいっしょにいられないなんていやだ
おにいちゃんに泣きついたら困った顔で
ごめんな
と笑いながらあやまった。
お兄ちゃんのえがおは大すき
でもあやまるならなんでわらうの?
5月2日
おにいちゃんが帰ってきた
おにいちゃんがただいまといって帰ってくるまでまいにち学校からかえってくるたびにおかあさんにごはんだよと言われるまでげんかんのまえでまっていた
ぎゅっておにいちゃんにだきついたとき、おにいちゃんからおひさまみたいなにおいがした。
おにいちゃんは本当におひさまみたいな王子さまだ
5月7日
おにいちゃんにきいてみた
「おにいちゃん、私のことすき?」
そしたら、
「ああ、大すきだよ」
とにっこり笑って答えてくれた
思わずおにいちゃんに飛びついておにいちゃんのベッドにいっしょになってねころがっていた
わたしがおにいちゃんをおしたおしてまたがっているたいせい
しかもわたしがおにいちゃんにのしかかっているせいでわたしのからだとおにいちゃんのからだがくっついてる
あったかい
いいにおい
ひろくてやさしい
おにいちゃんの顔がわたしの目の前にあった
「おにいちゃん、わたしとおつきあいしてください」
思わずそうきいちゃった
そしたら
「はは、いいよ。」
…え?
「いいの?」
「いいよ、こんなかわいい子のかれしになれるのはうれしいし」
うれしいって
私のこいびとなのがうれしいって
さわぎすぎておこられちゃった
5月15日
何だかおにいちゃんがうれしそうだった。
なんだかうきうきしていてはな歌を歌っていた。
いつもよりおしゃれしてお出かけするみたいだった。
どこに行くんだろう。
5月22日
おにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんがおにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんがおにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんがおにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんが おにいちゃんが
知らない女の人といた
きれいな人かみが長くてせが高くておっぱいも大きい人
なんで?
なんで?
なんで?
おにいちゃん…わたしのこと、こいびとにしてくれるって、こいびとだとうれしいって、いってくれたよね
なのになんで?
なんで私じゃない女の人といるの?
やっぱりおっぱいなの?
6月27日
思い切っておにいちゃんに聞いてみた
「あの人はちがうよ、ぶかつのせんぱいなだけ、べつにこいびととかじゃないよ」
本当に?
「うん」
私のことは?
「え?」
私のことはすき?
「え?…すきだけど?」
本当に?
「うん」
ならしょうめいして
「え?」
すきって言って、キスして
「ええ⁉」
はやく
そういってくちびるをとんがらせておにいちゃんに顔を近づけた
「わ、わかったよ。」
チュッ
「え?」
やった―――!
「えええ⁉」
おにいちゃんのファーストキス私がもらえた!
「ちょっと⁉」
ワーイワーイ‼
そのあとキュウにはずかしくなって部屋に帰ったけどすっごくうれしかった!
9月10日
しばらく書いてない日記だった
悲しかった
おにいちゃんがまたあの女の人とあっていたから
キスしてた
私がおにいちゃんとやったやつじゃない
お母さんが見る海外のドラマに出てくるような、エッチなキス
お昼なのに、道から外れたところで、
おっぱいももんでいた
おしりをなでてた
なんで?
なんでうらぎったの?
10月2日
おかあさんがみているどらまをこっそりみていた
『何よ泥棒猫‼私のおなかにはあの人の赤ちゃんがいるんだから!』
そうさけびながらおなかをさすっていた
そうか
赤ちゃんをおなかにもらえばあの女をだしぬいておにいちゃんをわたしのモノにできるんだ
今日の夜にしのびこんでおにいちゃんのあかちゃんをもらおう
ネットでしらべて赤ちゃんの作り方はもうしらべた
わたしが毎月お股から血を流すのも赤ちゃんを作れるしょうこだってことが分かった
今夜がたのしみだ
11月3日
おにいちゃんにはばれてない
きのうお薬屋さんでかってきたのを使ってけんさした
けっかはばっちり
わたしはちゃんとおにいちゃんのあかちゃんをみごもっていた
「おにいちゃん‼私‼おにいちゃんの赤ちゃん身ごもったよ!」
なのに
「あはは、んなバカな」
本気にしてくれない
だから、けんさしたけっかを見せつけてやった
「うそだろ…」
おにいちゃんがみるみる青ざめていく
なんで?
「か、母さん――――――――――――――!」
お母さんを呼びに下におりて行っちゃった
12月10日
お父さんにおこられた
お母さんにおこられた
自分がなにをしたのかわかっているのかってせめられた
でもわたしにはおにいちゃんがいる
のに
「来るんじゃねえ!」
って、部屋からおいだされた
なんで?
なんで
私、おにいちゃんのあかちゃんをもらったのに?
わたしとおにいちゃんがけっこんできるのに?
なんで
12月20日
このところおにいちゃんは学校に行ってない
私も行ってない
お父さんとお母さんはつかれてたおれてる
この家におにいちゃんと私と二人っきりみたい
なのにおにいちゃんは部屋から出てこない
12月25日
お母さんになぐられた
お父さんになぐられた
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
おにいちゃんのあかちゃんをせっかくもらったのに
なんでしあわせじゃないの
なんでお兄ちゃんは私とお話してくれないの
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
なんで
12月27日
お父さんとお母さんがきばらしにりょこうに行くって言ってた
おにいちゃんと二人っきり
でもおにいちゃんは私のほうに来てくれない
だからわたしがおにいちゃんのほうに行く
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
ずっとずっとずっとずっと
いっしょにいられるように
おにいちゃんと私と二人っきり
今日からはそう
お父さんとお母さんはいない
もう帰ってこない
わたしがそうしたから
チェーンロックで外からあかないようにしたから
でもどうでもいい
床に愛しいおにいちゃんが広がっている
口の中いっぱいにおにいちゃんの味が広がる
おなかの中もおにいちゃんでいっぱいで
いとしいものがいっぱいにつまったおなかを見てさすって
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
嗤う笑う哂うわらうワラウ嗤う
ワラウワラウワラウワラウ
ワラウワラウワラウワラウ
ワラウワラウワラウワラウ
ワラウワラウワラウワラウ
ワラウワラウワラウワラウ
おにいちゃん
これでずっと一緒だよ
おにいちゃんはお父さん
私はお母さん
赤ちゃんがおなかの中にいて
一緒にいる
大丈夫だよお兄ちゃん
もし私の中から出てきても
またちゃんと入れてあげるから