表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

-THE BEGINNING- 分身のハーモニカ楽団

 始まりは、いつもほんの些細のことで幕を開ける。

 学校に遅刻しそうになったり、強さを求めたいと不意に思ったり。

 少し心残りがあって、転生したいと思ったり。


 「あ〜今日期末テストだぁ⋯どうしよ。何も勉強してなぁいっ!」


 「中学の時もそうやって嘆いてたじゃん!なんで勉強してこないのさ!」


 「面倒くさいから」


 「即答だね!そんなんだからいつも成績下がってるんだよ!」


 「乙部ちゃんだってこの間の提出物出してなかったじゃん!」


 「あ、あれは⋯」


 「ほら言葉濁した!」


 「卑怯なんじゃないのそれ!!」


 テストが迫ってて、何も勉強してなくて意気消沈したり。


 「よう!赤西と乙部(おとべ)!何の話ししてんだよ〜!」


 「あ、宗谷くんおはよう!」


 「おっは〜!」


 「せ、成績の話⋯あんたは論外でしょ!あと、おはよ⋯!」


 「論外とか言うな!成績なんて低かろうが高かろうがどうでもいいんだよ!留年は嫌だけど」


 「んじゃそれ避けるために頑張れよっ!」


 「まぁまぁ乙部ちゃん、落ち着いて」


 「あんたが始めたんでしょうがっ!」


 「わぁっ!乙部ちゃんいつにもまして機嫌悪い⋯」


 「いや、多分俺がいるからだと思うぜ。ほら、」


 「⋯」


 「あっ、そう言えばそうだったね笑」


 「うるさいなぁもう!早く学校行くよ!」


 「遅刻しそうなわけじゃないのにね」


 「言ってやんなって。」


 不意に恋が始まったり。


 「⋯?なんか、飛んでる。」


 「え?⋯⋯あ、ホントだ。」


 「⋯あ、やばい。課題言えに起きっぱだ!!」


 「乙部ちゃん、流石にそれはやばいよ。」


 「寝るの遅かったとか?」


 「ち、違う!取り敢えず、取ってくる!そこで待ってて!」


 「⋯はぁ!?遅刻するぞ!!」「⋯えぇ!?遅刻しちゃうよ!!」


 ―そんな些細な物語の始まりが貴方に訪れたとしたら、どんな物語を紡ぐだろうか。


 「自信あるか?今回のテスト。」


 「ない。宗谷くんは?」


 「勿論ない。」


 「だろうね〜」


 「どれもこれもむずくてさ、勉強しても全然頭の中に入ってこないんだよな〜」


 「え、わかる!無意味だよね!」


 「そうなんだよ、やっても出来なきゃやる意味ない!そう思って俺はいつも勉強を放棄してんだよ。」


 「私は少しはやろうと思ってるんだけど、めんどくさってなって別のこと始めちゃう。」


 「だよなぁ〜」


 ―空―


 「こんなところに可愛い年頃の娘発見!折角だから、僕の手持ちの杖で魔法でもかけよっと♪

 最近、分身の魔法を作って完成したばかりだから、試しに使ってみるか。

 分裂しろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


 ―再度地上―


 「ん?なんか、空から星が降ってきてるぞ?」


 「星?ここ現実世界だよ?降ってきてるわけないって笑」


 「本当なんだって!上見ろ、上!」


 「上⋯?ほ、ホントじゃん。飛んでるやつも近くに来てるし⋯もしかして魔法使い?」


 「⋯ゆっくり落ちるな。」


 「そういうもんだよ。」


 「なんかめっちゃ触れたそうにしてるな⋯こういうのって結構やべぇやつじゃねぇのか?」


 「触れてみなくちゃわかんないじゃんそんなの、私は触れるよ」


 「勝手にしろ⋯」


 魔法の光が少女の掌に触れ、その反動なのか、パチパチとした痛みが体中を走る。

 掌の光は火花を散らすように光っている。

 赤に青に黄に橙、色彩鮮やかに光っている。

 そして、光り終えたらすっと消える、その儚さが実に美しい。

 その光景に、少女と少年はすっかり見惚れていた。


 「綺麗⋯体中は痛いけど。」


 「そうだな⋯痛いのはダメだけど。」


 しばらくすると光も痛みも止み、街の光景に戻った。

 少女は光の余韻に浸り、笑みを浮かべている。

 だが、少年は愕然とした表情を見せた。


 「どうしたの?宗谷くん。そんなギャグ漫画でよくあるような目して。」


 「あ、いや⋯え、あぁ!?気づかねぇの⋯!?横見ろよ横!!」


 「また?もう何も起きないって」


 少女の目線の先に映っていたのは、鏡の中に映る自分。

 ではなく、物理的な本当のもう一人の自分だった。


 「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?!?!?」


 つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ