歯の前の静寂
車輪がでこぼこした大地をきしませ、揺れるたびに檻の棒を振動させ、背筋にかすかな震えが走った。空気は淀んでいた――汗と恐怖、そして錆びた鉄の匂いが充満している。
外では、人身売買人たちが低い声でつぶやく。木のきしみや手綱の打つ音に飲み込まれ、遠くで誰かが乾いた咳をする。奥の方では、囁くように祈る声がかすかに聞こえた。
俺は動かずにいた。
静止は弱さではない。静止は刃だ。人は怯えない者に目を止める。疑問を抱く。疑問こそが支配の最初の亀裂だ。
その亀裂はすぐに現れた。
遠くの角から、一人の人物がしゃがみから立ち上がった。広い肩。木の幹のような太い首。腕には淡い縄のような傷が縦横に刻まれている。顔は鈍い輪郭と陰影に覆われた目だけ。
立った瞬間、彼の周囲の檻が小さく見えた。
裸足で板の上を歩き、囚人たちは後ずさりする。静寂は厚く、重く、湿っている。
松明の光が彼に当たった。
「新しい血だ」と彼は言った。まっすぐ俺を見据え、声は金属の鍋で擦った砂利のようだった。「俺はガルルク。この場所を仕切っている。」
頭を傾け、靴にくっついた汚れを見るように苛立ちを向ける。「ご丁寧に。」
口元がぴくりと動くが、笑みではない。「すべての檻、すべての食べ物、すべての水。まず俺の手を通る。ここで息をするなら、俺の条件だ。」
彼は他の囚人たちに目を向け、説教する神父のように声を上げた。
「三つのルール。ルール1――俺を苛立たせるな。ルール2――逆らうな。ルール3――一つか二つ破ったら、代償を払え。」
言葉の鎖。誰も動かない。
俺は薄く笑った。刃のように鋭い笑み。「可愛いな。」
近くの囚人たちは固まる。ガルルクは眉を寄せた。「何だ?」
肘を膝に置き、声を小さくして囚人たちに聞こえるようにした。聞き取るためには耳を澄ませる必要がある。耳を澄ませるということは、覚えさせるということだ。
「ルールは行動に許可が必要な者のためにある。俺には必要ない。」
彼は近づく。「自分は特別だと思っているのか?」
「思わない」と俺は言った。「知っている。お前の最初の間違いは、檻で一番大きな声を出す動物だからこの場所を支配していると思うことだ。」
空気が張り詰める――恐怖と、別の何かが下にある。ガルルクもそれを感じていた。
彼は檻の棒が俺の喉を防ぐ唯一の障壁になるまで近づいた。「口があるな。どれくらい持つか見せてもらおう。」
「俺は望む限り持つ。そしてここが終わる頃には、ガルルク…」 俺は間を長くとった。ここにいる誰もが理解できるように。「…お前は俺のルールを引用しているだろう。」
彼の顎が動く。次に一歩下がる。「明日、学ぶことになる。」
「明日だ」と俺。「後悔することになる。」
彼は背を向けたが、肩は固まっていた。種は蒔かれた――怒りだけでなく、疑念も。
松明が揺れ、影が檻を這う。目は伏せたままだが、俺を見ているのがわかる。
頬に傷を持つ年配の男が檻に近づいた。声は薄紙のよう。「あんな言い方をするべきではなかった。」
俺は退屈そうに見た。「それでも言った。」
「理解していないな。ガルルクはここに長年いる。守衛は彼を干渉しない。誰を―」
俺は手をひらりと振って遮る。「名前をもう一度言ったら、お前は彼の所有物のように聞こえるぞ。」
男はひるみ、頭を振り、驚きと困惑の間の顔で後ずさる。良し。鎖に縛られた犬に話す意味はない。
夜、人身売買人たちが止まると、檻を開けなかった。ただバケツに水を入れ、少しの固くなったパンを投げ入れた。
ガルルクはパンが床に落ちる前に受け取り、不均等に割る。従順な者には大きな塊、残りにはかす。バケツが来ると、彼は最後に飲む――全員の口が終わった後で、しかし最も長く。
俺はパンにも水にも触れなかった。ただ見ていた。
すぐだった。
「食欲ないのか、坊や?」ガルルクが呼んだ。
俺はゆっくりと笑みを浮かべ、目をそらさず。「待っているだけだ。」
「何を?」
「お前が一切れを乞う日を。」
囚人の何人かが笑いをこらえた。それで十分だ。忠誠心の最初の微かな揺らぎは、ユーモアから始まる――正しい対象に向けられた時に。
夜明け前、車輪が再び転がる。長い夜――木の軋み、遠くの遠吠え、暗闇で咳き込む病んだ肺。軽く眠った、目は半分ガルルクに向けられていた。彼も俺を観察していた。
正午までに、俺は自分のゲームを始めていた。水を頼むふりをして、すでに自分のもののように振る舞う。飲まずに回す。ガルルクを見ながらやる。俺が彼の支配するものを必要としていないのを見せる。
彼はまだ動かない。賢い者は待つ。自分で瞬間を選んでいると思い込む。本当は、すでに設定されたものに歩み寄っているだけだ。
道は暗い森に吸い込まれ、木々が密集して空を傷だらけの帯のように覆う。空気は冷たく、苔と腐敗で湿っている。前方には、急流の水が流れる。
馬車は減速する。地面には遅すぎる。
人身売買人たちの声が鋭くなる。手綱をきつく引く。一人が振り返る――檻ではなく、俺の方を。
ガルルクは身をずらし、すでに知っているかのように俺と扉の間に立つ。
俺は笑った。
道は人身売買人のものかもしれない。
檻はガルルクのものかもしれない。
だが、その先の影に待つもの――
それは俺のものだ。