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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期
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幼少期 第五話

竹に小石を集めた劉備は続いて、


「さて、次に集める材料は木炭か。これはこの時代だから家の中に普通にあるかな」


と、言って再び家の中に入っていったのである。

そうして劉備は、


「…木炭だから普通に台所にあるよねぇ…?」


と、言ってすぐに台所に向かっていったのである。

そして台所にやって来た劉備は、


「…木炭…。炭だから(かまど)の中に普通にあるはず…」


と、言って竈に近付き、竈の中を覗き込んだのであった。

そうやって竈の中を見ていた劉備が、


「…うん、あった。……よし、これで木炭も手に入ったからまた母さんのところに戻ろう」


と、言ってまたしても外で待っている母の元に戻っていったのである。

こうしてお目当ての木炭を持って戻ってきた劉備だったのだが、この戻ってきた劉備の姿を見た母が、


「げ、玄徳!?あなたその格好はどうしたの!?」


と、言って絶叫したのであった。

母が目にした劉備の姿は竈の中で木炭を探すという行為を行った事で煤のせいであちこちが真っ黒になっているという物だった。

しかし劉備はそんな事を全く気にせずに、


「あ、この姿ですか?ちょっと竈の中を探していたのでこんな事になっちゃいました!」


と、言って元気に母に報告したのであった。

この劉備の答えに母は頭を抱えて、


「…竈の中を探すって…。他に何か良い別の場所があったでしょう…?」


と、話して劉備に文句を言ったのである。

これに劉備は、


「いえ、必要だった物が炭なので竈以外に探す場所が思い付きませんでした!」


と、言って母の文句に対して元気に反論したのであった。

この反論を聞いた母は、


「…炭?…竹に、石に、今度は炭…?…本当にこれで水が綺麗になるの…?」


と、言って劉備が集めてきた材料を見聞きしてそう呟いたのである。

すると母のこの様子を見た劉備は、


(…話題が変わった?それならもう最低限の話だけしてすぐに次の材料を集めに行こう)


と、考えて、母に、


「まだ他にも必要な材料があるのでそれを集めてきますね。それでは!」


と、言ってこの場から走って逃げていったのである。

これに母は、


「…あ、ちょ、玄徳!待ちなさ…ってもう行っちゃった…。…全くあの子は…」


と、言って劉備が走っていった方向に視線を向けたのである。

その劉備本人は、


「…よし、母さんは追い掛けてきてないね。これで後は砂か砂利と何か適当な布を見つけるだけだね。後もう少し、頑張るぞ!」


と、言って残りの材料を集めに駆け出していったのである。

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