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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第五十七話

劉備から全員合格の評価をもらった子供達は、


「やった、覚えたって言ってもらえた!」


「うん、そう言われた!」


「全員合格、やった!」


と、口々に言って喜びを表現したのであった。

そんな子供達に劉備は、


「喜ぶのはまだ早いよ。これから村のあちこちにこの大きさの濾過装置をいっぱい作っていくんだから」


と、言って子供達を見回すと続けて、


「もし間違えて作っちゃったら村のみんなが濾過出来てない水を飲む事になるからね。大丈夫?覚悟は良い?」


と、言って半分脅すような口調で子供達に尋ねていったのである。

この劉備の問い掛けを受けた子供達は、


「…う…。ちょっと怖くなっちゃった…」


「…もし村の人のおなかが痛くなったら僕達のせいになるかもしれないって事?」


「…それはいやだな…」


と、言って急速にやる気を無くしていったのである。

この様子を見ていた簡雍は劉備に、


「おい玄ちゃん、ちょっと脅しすぎじゃないか?全員やる気無くしちまったぞ?どうするんだ?」


と、言って尋ねてきたのであった。

この簡雍の問いに劉備は、


「大丈夫です、何も問題ありません。やる気を取り戻す必殺技のような言葉がありますから」


と、言って簡雍に話したのである。

この劉備の言葉に簡雍は、


「必殺技?なんだそりゃ?なんかの食いもんか?」


と、言って劉備に尋ねたのである。

これに劉備は、


「…え?…あー…そうですねぇ、必殺技っていうのは必ず殺す技と言ってその人が使える一番強い攻撃っていう意味の言葉です」


と、言って簡雍に必殺技という言葉の意味を説明したのであった。

この説明を聞いた簡雍は劉備に、


「ほーん、なるほどねぇ。それも天の国の言葉かい?」


と、言って天の国の言葉かどうかを尋ねたのである。

この質問に劉備は、


「ええ、そうです。憲兄ちゃんは知らないはずなのに思わず使っちゃいました。ごめんなさいね?」


と、言って答えるとすぐに謝ったのである。

これに簡雍は、


「いや、俺は別にいいよ。それよりもこいつらにその必殺技とやらを使ってやりな」


と、言って劉備に早く子供達をどうにかしてやるように話したのであった。

これに劉備は、


「はい、わかりました」


と、言って答えると子供達に、


「みんなは失敗した時の事を考えて怖がっているよね?でも無事に作れた時の事を考えてみて?村のみんながあなた達にありがとうありがとうって言って感謝してくれるんだよ?それにこの濾過装置は一回設置したら壊れたりしない限りずっとここにあるんだよ?将来みんなに子供が生まれた時にみんなの子供達にこの濾過装置を見せながら、これは自分達が小さい頃に作ったんだ。これを作った時は村のみんなに誉められたものだし村のみんながこの濾過装置を使っているときにもありがとうって誉められたもんだ、っていうふうにずっと自慢出来るんだよ?すごいと思わない?」


と、言って話して聞かせたのである。

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