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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期
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幼少期 第三話

結局劉備が探していたファイアーピストンの材料は思っていたよりも簡単に見つかった。

そしてそれを組み上げる作業も問題無く完了した。

こうして出来上がったファイアーピストンを持って劉備は母の元に戻っていったのである。

そうして母に出来上がったファイアーピストンを見せながら劉備は、


「母上、これが発火器です。これを使えば火起こしが簡単になると兄上が夢の中で言っていました」


と、言って説明したのである。

これを劉備の母は、


「…はぁ、この…何と言うかよくわからない道具で火起こしが楽に…。これをあの子が…」


と、言うとファイアーピストンを手にとってしげしげと眺めたのであった。

そんな母に劉備は、


「それでは母上、早速これを使って火起こしをしてみましょう」


と、母に発火器を使ってみようと話し掛けたのである。

これに母は、


「…ええ、わかったわ、玄徳。それでどこに行けば良いのかしら?やっぱり台所かしら?」


と、言って劉備に尋ねたのであった。

これに劉備は、


「そうですね、台所に行きましょう、母上」


と、言って答えると二人で一緒に台所へ向かったのである。

そうして台所に着いた劉備は母の前で発火器、ファイアーピストンを使って見せたのであった。


「いきますよ、母上。それっ!」


劉備はそう言って発火器を使い火種を作るとすぐに火起こしを成功させたのである。

この様子を見た母は、


「…信じられない…本当に火起こしがあっという間に出来るなんて…」


と、言うと絶句したのであった。

これに劉備は、


「どうですか、母上。これが兄上が教えてくれた発火器の力です!」


と、言って胸を張ったのである。

これを見た母は、


「…ええ、ええ、見ましたとも。これが…あの子があの世から、私達に教えてくれた…発火、器?の…力なんですね…。…すごいわね…。…ありがとう…」


と、言いながら涙を流したのであった。

これを見た劉備は、


「…母上、そんなに泣かないで下さい。多分兄上も困ってしまいますから…」


と、言って泣き止むように頼んだのである。

この劉備の言葉に母は、


「…そうね、いつまでも泣いているとあの子も安心出来ないわよね…。…うん、もう大丈夫よ、玄徳?」


と、言って劉備の言葉に答えると涙を拭って劉備に笑顔を見せたのである。

そんな母を見て劉備は、


(…何か母さんの様子を見てると悪い事をしてる気になってくるなぁ…。…それでも…母さんを騙し続けてでも未来知識の解禁と普及をしていかないと将来私は詰んでしまう…。…だからごめんなさい、母さん。このまま貴女を騙し続けます)


と、心の中で謝りながらこれからも母を騙し続ける決意をしたのであった。

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