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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第四十六話

母から注意を受けた後で布を受け取った劉備は、


「ありがとうございます、母上。それでは憲兄ちゃんがもう待っているかもしれないから行きますね」


と、言って家を出ていくと壺を置いてある水場に向かっていったのである。

そうして到着した水場には簡雍はまだ戻ってきていなかったので劉備は、


「簡雍さんはまだ戻ってきていないのか。さてどうするかな…?」


と、言って簡雍が戻ってくるまでの暇潰しの仕方を考え始めたのであった。

そこで劉備は、


「…そういえば壺の底ってどうなってるんだ?」


と、言って壺の底を見てみたのである。

そして劉備は、


「…あー、そうか、壺の底になんとかして濾過した水が出ていく穴を開けないといけないのか…」


と、言って壺から少し離れると続けて、


「…それに倉庫の中から引っ張り出したって事は壺の中を洗わないといけないよね?絶対汚れてるだろうし…」


と、言って考え込むと劉備は、


「…こうなってくると簡雍さんには早く帰ってきてもらいたいな…。今どこで何してるんだろ…」


と、言って簡雍が走っていった方向に顔を向けたのである。

そうして少しの間その方向をぼんやり眺めていると簡雍が何人かの子供達を連れて戻ってきたのであった。

この光景を見た劉備は、


「…簡雍さん?あの子供達はどうしたの?一体何事?」


と、言って呟くと水場まで戻ってきた簡雍に、


「お帰りなさい、憲兄ちゃん。…後ろのみんなはどうしたの?」


と、言って挨拶をした後で簡雍が連れてきた子供達の事を尋ねたのである。

この質問に簡雍は、


「おう、待たせたな、玄ちゃん。こいつらにも手伝わせようと思って連れてきたんだ」


と、言って質問に答えるとすぐに続けて、


「…それとも必要無かったか…?」


と、言って劉備に聞いてきたのであった。

この状況に劉備は少し考えると、


「…いえ、ちょうど人手が必要になりそうな事を思い付いたところだったから助かります。ありがとうございます、憲兄ちゃん」


と、言って簡雍に軽く頭を下げたのである。

すると劉備の言葉を聞いた簡雍が、


「玄ちゃんがそう言うって事はまたなんか酷い事を思い付いたな?みんな良かったな、なんか酷い事を頼まれるぞ」


と、言って子供達に話したのであった。

これに劉備は、


「…今はとりあえず壺の中を洗おうと思っただけですよ。倉庫の中に置きっぱなしになっていたから壺の中がホコリだらけで大変な事になってるから」


と、言って壺を軽く叩いたのである。

これに簡雍は、


「…それは…確かに…簡単…か?」


と、言って壺を叩く劉備を見詰めたのであった。

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