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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第七十話

劉備が誓った、私も手伝う、という約束を信じた大工は、嫌々ながらも二台目の馬車を作り始める。

そして劉備も約束通りに二台目の馬車作りを手伝っていく。

この劉備の手伝いと、一台目の馬車を作った経験もあって二台目の馬車作りは一台目を作る時よりも早く作ることができた。

この結果に劉備はもちろん、大工の方も劉備がちゃんと約束を守ってくれたこと、そのおかげで作業時間が短縮できたことに大喜びをしていったのである。


「……よしっ、これで二台目の馬車も完成だ!」


「思っていたよりも早く作れましたね」


「ははっ、玄ちゃんが約束通りに手伝ってくれたおかげだよ!」


「そんなことはありません。大工さんが一台目の馬車で馬車を作ることに慣れたから、ですよ」


「わははっ、それもあるか! まあその二つだな!」


「……そうですね。私も嬉しいですよ、大工さん」


「はははっ、そうかそうか?それは良かったぜ!」


「はい……ただ……」


「……んあ? ただ? なんだよ? どうしたんだよ、不安になるようなことを口にして……?」


二台目の馬車完成に喜んでいた劉備と大工だったが、すぐに劉備の表情が暗くなり、妙な単語を口にしていくことに大工の頭には嫌な考えが浮かんでいく。

そんな大工に、劉備が続きの言葉を話していった。


「ただ、二台だけでは馬車の数が全然足りません。もっともっと作っていかないと……」


「か、数が足りないだって⁉ お、おいおい玄ちゃん! 今以上に馬車を作るつもりでいるのかよ⁉」


「もちろんです。そうしなければ待たせてしまう病人や怪我人が出てきてしまいます」


「……ま、まあそれはそうなんだが……それじゃあ玄ちゃん、道作りの方はどうするつもりだよ? あっちでも約束しちまっただろ?」


「……はい。だからどうしようか、悩んでいるんですよ……」


そう言って劉備は深い大きな溜め息を吐いていく。

そんな劉備を見た大工もつられて深い大きな溜め息を吐いていった。

そうしてどうするのかを考えていた劉備が、この状況をなんとかできるかもしれない案を思い付いたため、大工に思い付いた案でどうにかなると思いますか? と尋ねていく。


「……ぬぅ~……うぅ~ん……」


「……玄ちゃん……」


「……むぅ~……む」


「……うん? 玄ちゃん?」


「そうだ、良い案を思い付いたかもしれません」


「ほう? どんな案だい?」


「今からの道作りには私も参加しようと思います。これで村長さんや皆さんの不満がある程度は解消されると思います」


「……うぬぅ……玄ちゃんが、道作りに……」


劉備の案を聞いた大工は、表情を歪ませた。

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