幼少期 第三十三話
何事も無く昼食を食べ終えた劉備は母に、
「…母上、後片付けの全てを母上に任せても良いですか?」
と、言って尋ねたのである。
これに母は、
「…それは良いけど…珍しいわね、玄徳が後片付けを全部私に任せたいなんて言うのは…」
と、言って劉備をしげしげと眺めたのであった。
これに劉備は、
「…昼食を食べたら村の何ヵ所かに大きな濾過装置を作っていきたいなって思って、そうしたら昼食を食べたらすぐに行かないと時間が無くなっちゃうって思って…」
と、言ってチラリと家の外を見たのである。
これに母は、
「…そう。…玄徳、一つ良い?」
と、言って劉備に質問して良いかを尋ねたのであった。
これに劉備は、
「…はい、なんでしょうか…?」
と、言って少し怯えながら母の質問を許可したのである。
これに母は、
「それは村のみんなの生活の役に立つ事なのね?」
と、言って劉備に尋ねたのである。
これに劉備は、
「はい、それは間違い無く」
と、言って今度はさっきと違って力強く答えたのであった。
この答えを聞いた母は、
「それなら良いわ。いってらっしゃい、玄徳」
と、言って劉備を送り出そうとしたのである。
これに劉備は、
「…あ、ありがとうございます、母上!いってきます!」
と、言って家を出ていったのである。
そうして劉備は午前中に発火器作りと発火器配りを行っていた場所に向かうと、
「…さて、それじゃまずはここに大きめの濾過装置を作っていこうかな」
と、言ってまずは材料集めを始める事にしたのであった。
そして劉備は材料集めの一番最初に、
「…最初に必要になるのは入れ物だよね…。最初の濾過装置を作る時には順番を間違えてちょっと困った事になっちゃったからね…。そうなると最初に持ってくるのは…大きめの壺かな?でも壺だけだとどうやって濾過された水を取り出すか…」
と、言ってしばらく考え込むと劉備は、
「………あ、そうだ。椅子か椅子みたいな物を持ってきてその上に壺を置けばいいんだ。そして壺は乗せる前に底に穴を開けておく。良し、これでいこう」
と、言って力強く拳を握り込んだのである。
そうして劉備が濾過装置作成の一番最初の作業工程を決めたところで、
「お、いたいた。おーい玄ちゃん、今から何するんだ?また手伝おうか?」
と、言って簡雍が劉備の元にやってきたのであった。
これに劉備は、
「あ、憲兄ちゃん。また来てくれたんだ。ありがとう」
と、言って挨拶をすると続けて、
「今からやろうとしてるのは大きめの濾過装置を村の何ヵ所かに作る事です」
と、言って簡雍に答えたのである。
閲覧、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!




