少女期 第六十六話
こちらも投稿を再開させていこうと思います。
更新は週一ペースぐらいになるかな…?
どうにかこうにかして村人達からの許可を得た劉備と大工は、急いで作業場に戻っていく。
そうして作業場に無事到着した劉備と大工は、すぐに馬車の完成に向けて作業を始めていった。
「……ふむ、帰ってくる時にも問題は起きませんでしたね」
「ああ。これでこのまま作業を進めていけば良いと、改めてわかったな」
「はい……というわけですから、早速作業の続きを始めていきましょう」
「おう! ……んで、なにからやっていくんだ?」
「……そうですねぇ……怪我人達や病人達が安心して乗っていられるように、土台部分に屋根をつけていきましょうか」
「ほう、屋根か。わかったぜ、それで、どんな屋根にするんだ?」
劉備から次は屋根を作る、このように言われた大工が、劉備にどのような屋根を作って取り付ければ良いのか? と尋ねてくる。
これに劉備は、特に深く考えずに現代日本人がパッと思い付くであろうヨーロッパ方式の馬車の屋根を作りたい、このように考え、これをどうやったら大工と情報共有出来るのかを考えていった。
「……どのような屋根、ですかぁ……そうですねぇ……」
「……これは、ちょっと難しい質問だったか……? そうだとしたら玄ちゃんに丸投げしたことを謝るんだが……」
「いえ、そんなことはありませんよ。ただ、今私が考えている屋根をどうやったら大工さんに伝えられるか、これを考えていまして……」
「ああ、そういうことか。それなら……」
「……うん? 大工さん? どうかしましたか? なにか、良い考えが浮かびましたか?」
劉備の発言を聞いていた大工が、なにかを思い付いたらしくその考えを話そうとしていく。
これに劉備も耳を傾けようとした。
そんな劉備に、大工はほとんど無言で地面を指差していく。
「ああ……ほら。またこれをやれば良いんじゃないか?」
「……え? ……ああ、そういうことですか! わかりました、その通りにやってみます!」
大工が指差した先には、劉備が今までの作業で大工に指示を出す時に描いていた馬車の絵図があった。
それを見た劉備は、今回もまた馬車の屋根の絵図を描いていけば良いのだと理解していき、すぐにどのような屋根を作りたいのか、それを地面に描いていったのである。
「ああ、やってみてくれ。こっちはそれをどうにか実現出来るように頑張るからよ!」
「わかりました! それでは……!」
「おう!」
「……」
こうして地面に屋根の絵図を描き始めた劉備。
その絵図が描き上げられるところをじっと見ていた大工は、とあるところでうん? となり、最終的にはなんだこれは⁉ という感想を持つことになった。
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