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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第六十四話

劉備は抱き合う村人達に数秒間目を向けたあと、再び道の確認をしていった。

今度は先ほどとは違った場所の道を確かめていこうとしたため、先ほどの位置からは少し離れた場所で次の道の確認を始めていく。


「ふむ、こちらの方も問題なく作れていますね。これならこの先の道も、ここからあとの道も問題なく作られそうですね」


「ほう、そうか。劉備がそのように言ってくれるということは、村人達全員のやる気も出てくるというものよ」


「ありがとうございます。続けてあちらの方は……はいはい、こちらの方も問題無くできていますね」


「おお、そうか! 皆やったな!」


「ああ!」


「おう!」


「……この様子なら私がいなくても道作りは問題なく進めることができそうですねぇ……」


「む? ということは劉備よ、お前達は馬車作りに戻るのか?」


村人達が作った道の評価をしていた劉備の発言から、劉備と大工が道作りの現場を離れて馬車作りの方に戻ろうとしていることに気付いた村長。

その気付きを直接劉備にぶつけてどういう反応をするかを確かめてみると、劉備は若干申し訳なさそうな表情になりながら答えていった。


「……そうですね……道作りの方を軽く見ているわけではないのですが、馬車の方もできる限り早く作らないといけないですから……」


「……うむぅ、そうか……しかしなぜそこまで急いで馬車を作ろうとする? もう少しじっくりと時間をかけて作った方が良いものが作れそうな気がするのだが……?」


劉備の返答を聞いた村長が首を傾げながら劉備へそのように尋ねてくる。

これに劉備は、自分達の村にやってきた旅人達の村の怪我人や病人のことを思い浮かべながら答えていった。


「確かにそうでしょうけど、いつあの旅人達が怪我人や病人を連れてくるかがわからないですからね……早いうちに馬車を作って、いつでも使える状態にしておくことに悪いことはないんですよ」


「……ふむぅ……まあそう言われてしまえば確かに止めるような話ではないとわかるのだが……」


「なにか気になるところがありますか?」


「その説明を聞いて事態を理解することと、それに納得してそなた達を気持ち良く送り出せるかは、また別の話になってくるからな……」


劉備の説明を聞き終えた村長が渋い表情でそう話していく。

この話を聞いた劉備は、一切迷うことなく村人達の前で土下座をして、馬車作りに向かわせてほしいと頼み込む。

最初は劉備の土下座をなんともいえない表情で見つめていた村人達だったが、劉備に加えて大工も土下座をして頼み込んできたため、村人達は少し悩みはしたが最終的には全員が馬車作りのために戻ることを認めていった。

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