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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第六十三話

馬車を止めた劉備は、村人達に少し離れるように注意をしたあとで馬車から降りていく。

そうして馬車に乗っていた全員が降りたところで、村人達が劉備達を取り囲んで質問攻めを始めてきた。


「なあ、これが馬車かい⁉」


「なんか、思っていたよりも地味なんだな!」


「それでなんでこっちを見にこなかったんだよ? やっぱり忘れていたのか?」


「村長さんや皆も遅かったですよ⁉ なにをしてたんですか⁉」


「戻ってくる前に向こうで絶対に馬車へ乗っていたでしょう⁉ わかるんですからね⁉」


劉備達はこの嵐のような質問攻めに対して、しどろもどろになりながらもなんとか返答を行い、少しずつ、本当に少しずつだったが道作りをしていた村人達の気を落ち着かせていき、周辺の興奮状態を沈静化させることに成功していく。


「ええ、これが馬車です。ですから皆さん、少し落ち着いてください」


「この馬車はまだ未完成だからな。ここからまだなにかがついていくぞ」


「なかなかキリがよくならなかったもので、こんな時間になってしまいました……これについては素直に謝ります。すみませんでした」


「先ほど劉備が説明したようにキリがよくならなかったのでな、それで時間が掛かったのだよ」


「村長さん達は向こうで馬車に乗りたいとは言ってきませんでしたよ。そこは信じてあげてください」


「……ふむぅ……」


「全部説明されてしまったな」


「ああ。こうなってしまうと納得しないわけにはいかないな……」


劉備の村長の言い訳に近い説明のすべてを聞いた村人達は、少しだけ不満を持つもの達もいたが、ほとんどのものが納得していった。

この様子に胸を撫で下ろした劉備は、すぐに道作りの状況を確認していくことにする。


「皆さん、私達の説明で納得してくださいましたか?」


「それは……まあ」


「……まだ納得していないものもいるけどな」


「でもそれはごく一部のやつだけだからそんなに気にすることはないと思うけどな」


「そうですか。それでは最初の約束通り、道作りの状況を見ていきますかね」


「ああ、頼むよ」


「はい」


劉備の言葉を聞いた村人達が、自分達の仕事を劉備がどのように評価してくるのか、期待と不安の入り交じった表情で見守るなか、劉備の評価がはじまった。


「……」


「……」


「……」


「……どうなんだ……?」


「さあなあ……」


「……ふむ、よくわかりました」


「おお、そうか!」


「それで? どんな感じだったんだ?」


「予想していたよりも見事な道になっています。これなら馬車も問題なく通れるでしょうね」


「おお! やったぞ!」


劉備にそう評価された村人達は、大喜びで抱き合い始める。

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