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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第五十五話

劉備達が帰ってくる姿を見かけた村長達が、作業を中断してすぐに劉備達の元に駆け寄ってくる。


「……む? ……おお?」


「うん? どうかしましたか、村長さん?」


「……あれは……劉備達ではないか?」


「へっ? あっ、本当だ! 劉備達だ!」


「そうか、帰ってきたのか! こうしちゃいられねぇ!」


「あっ、待て! 俺も行くぞ!」


「俺も!」


「私達もだ!」


「……うん? あれ? なんか、皆さんこちらに向かって走ってきている……?」


村長達が自分達のいる方に向けて走ってきていることに気付いた劉備は、この場から離れて村長達の様子を伺うかどうかを護衛の村人達と相談するかを数秒間考えていく。

しかしそうしている間に自分達と村長達の距離がどんどん縮まっていき、ついに劉備達を取り囲む形になったのである。

そうして劉備達を取り囲む形になった村長達が、次々と声を掛けてきた。


「待っていたぞ、劉備!」


「お帰りなさい、玄ちゃん!」


「……あ、はい、どうも……」


「うむ。それで劉備よ、すぐにこっちに来てくれ。大至急そなたにみてほしいものがあるのでな!」


「あ、はい、わかりました……」


こうして村長達に半分引き摺られるような形で目的の場所に連れてこられた劉備は、そこで村長達に道作りが順調にできているかどうか、確認することを頼まれた。


「……よし、ここでいい」


「……あ、ありがとうございます。それで、ここでなにをするんですか……?」


「そんなに怯えなくても大丈夫だぞ、劉備。我々はただ道作りが問題なくできているのかを聞きたいだけなのだからな」


「……ああ、そういうことでしたか……」


「うむ。それでどうだ? 上手く、できていると思うか?」


「わかりました、確かめてみますね」


村長に尋ねられた劉備が道のチェックを始める。

道の耐久性に問題がないかを確認するためにいろいろな箇所を軽く叩いてみたり、不必要な傾斜ができていないかを入念に調べていく。

その様子を不安そうに眺めていた村長達の元に、チェックを終わらせた劉備が戻ってきて報告を始めていった。


「……」


「……どうなんだろうな……」


「……ふむ……」


「……緊張するな……」


「……ふむふむ、なるほどなるほど……」


「……うん? 終わった……のか……?」


「なんか、こっちに向かってきますね……」


「やあ、皆さん、お待たせしました」


「う、うむ」


「……それで? どうだったんだ⁉」


「そんなに不安そうにしないでください。良くできていましたから」


「……え? 本当に?」


「はい」


自身の評価を聞いて拍子抜けした表情になる村長達に、劉備は笑顔で頷いていく。

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