表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

333/353

少女期 第五十一話

劉備のお願いを聞いた太守は腕組みをしながら考え、劉備のお願いについて答えていった。


「……ふむぅ……馬車作りを認めることと、馬車の情報を秘密にすること、か……」


「はい。いかがでしょうか?」


「……まあ、馬車作りを認めることに問題はない。しかし馬車の情報を秘密にすること、これについては……」


「……難しいでしょうか?」


「いや、特に難しい話ではない」


「そうなのですか? ではどうしてなのでしょうか?」


「うむ、まあ……秘密にする理由がよくわからないから、になるかな」


「……ああ、そういうことでしたか……」


「うむ」


太守の返答を聞いた劉備が少しの間考え込む。

そうしてある決意をした劉備は、太守に向けて言葉を発していった。


「……わかりました、ご説明をいたします」


「う? ……う、うむ、頼む」


劉備の異様な雰囲気を察知した太守が、ほんの少しだけ狼狽えながら劉備に説明を促していく。

これを受けた劉備が、一度大きな深呼吸をしてから説明を始めていった。


「……すぅ~、はぁ~……よし、いきますよ」


「……うむ」


「はい、それでは説明を始めていきます。実は馬車というものは、作られた最初の頃は単なる乗り物ではなく、戦いで勝つために作られた兵器だったのです」


「……ふむ、馬車の使用目的が元々は兵器だったというのは以前聞いたことがあるな。しかしそれがどうしたというのだ?」


「……元々が兵器だったものを、すぐに作ろうというのですよ? 太守様は私のことを信頼してくださっていますから問題ないのでしょうが、それ以外の方はそうではないでしょう。必ず不審な目で見られ、最悪の場合は捕まえられて処刑されるようなことがあるかもしれません」


「……なるほどなぁ……そういう考えであったか……ふむぅ……」


劉備の説明を聞いた太守は、何回も深く頷いて目を閉じていく。

そんな太守を劉備は少しだけ不安そうに見つめていたのだが、太守が目を開いて自身のことを見つめてきたため、劉備は太守を見つめたまま、すぐに太守がどのような考えでいるのかを尋ねていった。


「……」


「……ふむぅ……」


「……」


「……うむ」


「……太守様、答えが出ましたか?」


「うむ、出たぞ」


「……それで、その答えとは……?」


「うむ、そなたの言葉を聞き入れ、馬車作りは我々だけの秘密としよう」


「そうですか、ありがとうございます!」


太守から馬車作りをこの場にいるものだけの秘密にすると劉備に約束する。

これに劉備は両手をあげて喜んでいった。

閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ