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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第四十五話

劉備は自身に凄い目を向けてくる護衛の村人達に対して、まったく悪びれることなく今の状況になった経緯と、そこからの理由を話していった。


「ちょっと皆さん、そんな目で見ないでくださいよ」


「……いや、そう言われてもだな……」


「しょうがないじゃないですか、村にあんな誓いをしてきたんですよ? だから確実な成果を持って帰らないといけなくなったんですから」


「それはそうなんだろうが、それにしてもなあ……」


「まあまあ。とりあえず今は文句を言わずに証人になってくださいよ。そうすれば話が先に進みますから」


「まったくお前というやつは……」


「しかしどうする? 本当に証人になっても大丈夫なのか?」


「私一人だったら危ないかもしれませんが、皆さんが証人になってくだされば大丈夫です」


「……それはどうしてなんだ?」


「太守様と話して約束したのが私一人なら、私を殺してしまえば私と太守様の話が広まることはありません。ですが皆さんが証人になって、私と太守様の交渉の結果私達全員が殺されてしまえば、太守様が私達を殺したという噂が私達の村から広がることになるでしょう」


「……むう……」


「……お、おう……」


「……それで? そのあとはどうなるんだ?」


ここまでの劉備の話を聞いた護衛達と太守が顔色を悪くしていく。

それでもこの先の展開が気になった一同は、若干震えながらも劉備に先を促していった。

そして劉備は、この声に応じて続きを話し始める。


「このあとですか? まあほとんど願望になるのですが、噂が各地に広まっていき、王朝の偉い人の耳に入り、太守様が職を辞する、そんな事態になればいいなあ、そう考えていますよ?」


「……」


「……あ、悪どいことを……」


「……どうすればそんな邪悪な考えができる人間になれるんだ……」


劉備から続きの話を聞いていった一同は震えながらそのように感想を話していく。

そんな一同を見た劉備が、今の状態ならお願いしても大丈夫だろうと判断して、太守と護衛達に誓いの言葉を言い合ってもらいたいと話していった。


「あははは……そのように言っていただけるのなら、護衛の方達にも誓いの言葉を話していただけますよね、太守様?」


「……ああ、まあ……そうだな……」


「ありがとうございます。それではよろしくお願いします」


「うむ。護衛達よ」


「は、はい」


「ここに誓おう、劉備がどのような頼み事をしてきても怒らない、と。もし誓いを破って怒った時は、村の税を免除する、とも約束しよう」


「わかりました」


劉備に促されて護衛達に誓いの言葉を話していった太守に、護衛達も神妙な表情で返事をしていったのである。

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