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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第四十二話

首を捻って考える張角に対して、劉備はとても真面目な表情で続きを話していった。


「私は今から村を離れますからね。私がいなくなってから張角殿達が治療に向かうまでの間、私はこの誓いの監視ができませんからね。ですから今の間に張角殿に注意をしたわけですよ。自分達でこの誓いの文章を消したのに、私達村人達が消したと言い出さないように、と」


「……うぬぅ、そういうことだったか……」


劉備の言葉を聞いた張角は難しい表情でそう唸ると、護衛としてついてきていた周倉達に話し掛け始める。


「いいかお前達、よく聞くのだ」


「はい、大賢良師様」


「我々が旅立つまでの間、誰一人としてこの誓いの文章に近付いてはならぬ。もしもわしの言い付けを破ってこの誓いの文章に近付いたものは、わしが直々に棒打十回の刑に処し、わしらの集団から追放処分とする! 良いな⁉」


「は、はい! わかりました!」


「うむ、それでよい。さあ劉備よ、これで安心したかな?」


周倉達の返事を聞いた張角が満足そうな表情で劉備にそう問い掛けていく。

これに劉備は、とりあえずは安心した表情を見せて張角や村人達に太守の元に向けて出発すると話していった。


「……ええ、そうですね。とりあえずは安心しました」


「ふむ、そうか。それはよかった」


「はい。村の皆さんもこれで大丈夫でしょうか?」


「……うむ、まあ……大丈夫だろう」


「……そうだな、大丈夫、だと思う!」


「……だそうです、張角殿」


「うむうむ、これもよかった」


「ええ。それでは私はこれで出発しますね。急いで行って帰ってこないと作業ができないですから」


「ああ、そうだ。できるだけ早く、頼んだぞ、劉備」


「はい。それでは行ってきます!」


「おう! 気を付けてな!」


村人達や張角達から笑顔で送り出された劉備は、その言葉に笑顔で手を振りながら太守の元に向けて出発していく。

そんな劉備に遅れないように出発していった護衛の村人達と共に劉備は太守の元に向かい、到着するすぐに太守との面会許可を求めていった。


「……面会許可はまだでないのですかね?」


「それを我々に聞かれてもなぁ……」


「そうですか……まあほとんど独り言だったからいいのですが……」


面会許可を求めた劉備達は、許可が出るまでの暇な間をいつ許可が出るのか、などの雑談をして過ごしていた。

そんな劉備達は、面会の許可が出たと伝えてきた兵が続けて太守の元に案内をすると申し出てきたため、その申し出に従って兵について太守の元に向かっていく。

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