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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第三十六話

二つ目の頼みごとである道作りを聞かされた村長は、目の前で頭を下げている劉備に対して、具体的にどこからどこまでの道作りをすれば良いのかを尋ねていく。

これに劉備は若干申し訳なさそうにしながら答える。


「ふむ……道作りか。以前やったあれかな?」


「はい、以前やったあれです」


「ふむ、それならなんとかなりそうだな。それでどこからどこまでの道作りをすればいいのだ?」


「……そのことなんですが……できればこの村から張角殿達が拠点にしている土地の中間に位置している村までの道作りをお願いしたいのですが……」


「……それは……どのぐらいの距離の道作りになるのだ……?」


劉備の返答を聞いた村長がわずかに震えながら次の質問をしていった。

するとこの質問を受けた劉備は、村長から目を逸らしつつ答えていく。


「……わかりません。馬で数日掛かる距離でしたから、あの距離の道作りとなると、道作り完了まで数ヶ月掛かるかもしれません……」


「す、数ヶ月……⁉ そんな作業を、種まきの時期に始めるというのか⁉」


劉備の返答を聞いた村長はそのように叫び、道作りに対して否定的な感情を見せていった。

そんな村長に劉備は、できるところまでで良いからと言ってきれいな土下座を披露してお願いをしていく。


「全部とは言いません! できる限りで! できる限りでよろしいですから、なんとかお願いできませんか⁉」


「……できる限りと言われてもな……我々にも予定があるからな……」


「それはわかっています! ですがなんとか……あ、そうだ!」


「……うん? どうした、劉備?」


お願いの最中に突如大きな声をあげて立ち上がった劉備。

そんな劉備の反応に村長が警戒しながら少し後退していった。

その一方で立ち上がった劉備は、村長にとある交換条件を持ち掛けていったのである。


「村長さん、私のお願いを聞いて少しでも道作りをしてくださるのなら、今年の種まきに新しい提案をしていこうと思います。いかがでしょうか?」


「……種まきの時に新しい提案? それは、提案を受けてすぐにできるものなのか?」


「すぐにできると思います」


「……ふむぅ……」


「どうでしょうか? また村が発展する良い機会になりますよ?」


「……やれやれ、仕方のないやつだ。わかった、二つの頼み事、両方とも引き受けよう」


「本当ですか⁉ ありがとうございます!」


「ただし! 新しい提案とやらは忘れずにしてもらうからな!」


「はい!」


村長が自身の頼み事二つを聞き入れる、そう発言すると劉備は大喜びで手を叩いていった。

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