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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第二十七話

劉備が姿勢を正していく様子を見届けた張宝が、次の懸念点を尋ねてきた。


「では次の問題点だ。すぐに治療が必要ないとは言っても病人や怪我人だ。途中で休むと言っても、なかには旅で受ける疲労に耐えられないものもでてくるだろう。それにはどう対処するつもりだ?」


「それですか……それについても一応考えていることはあります。ただこれもとある方に相談して許可をもらわないと実現できない案ではあるのですが……」


「……さっきから誰かに聞いてみないといけない案ばかりだな……本当に大丈夫か……?」


劉備の説明を聞いた張宝がこれ以上はないというほど不安そうな表情で感想を話してくる。

劉備はこれに対して、軽い苦笑いを浮かべながら続きの話をしていった。


「一応大丈夫の予定です。もし駄目そうだとしてもこちらの方には打開策がありますから、それでなんとかなると思っています」


「……大丈夫だという説明もそのほとんどが予想や願いの域を出ていないのだが……それだと安心できんぞ? もう少しなにか、話せる情報はないのか?」


劉備が話した続きの内容に張宝が相変わらず不安そうな表情で駄目出しをしてくる。

これを受けた劉備は溜め息を吐きながら更に追加の情報を張宝に明かしていく。


「……しょうがないですねぇ……それでは少しだけ話しますよ?」


「……しょうがないから話すのか……まあ良いが……」


「こほん、それではいきます。とある方に相談すると話しましたが、そのとある方とは私達の暮らしている村を含めた地域一帯を治めている太守様です」


「なにっ⁉ 太守だと⁉」


「はい、太守様です」


「むぬう……! おのれ……!」


劉備から協力を頼む相手が太守だと聞かされた張宝はそのように呻きながら劉備を睨んできた。

その一方で張宝の隣でこの話を聞いている張角は、劉備の話が終わるまで口出しすることをしないと心に決めていたため、無言で目を瞑りながら劉備に続きを話すように促していく。


「張宝様、少しだけ落ち着いて私の話の続きを聞いてください。あなた方が不利になるようなことには絶対にいたしませんから」


「ふざけるな! 役人に話をするんだろうが⁉ そんなものを信じられるか!!」


「……宝、やめい」


「兄者⁉ どうして⁉」


「……」


「ありがとうございます。それでは続きを話しますが、いろいろとありまして私は太守様にできる範囲内ならどのような褒美でもねだることができる約束をしています。その約束を使ってあるものを使う許可をいただくか、あるものを作る許可をいただきます」


この劉備の話を聞いた張宝の顔は不安そうな表情から不審者を見る表情に変わっていった。

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