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新訳三國志演義  作者: 篠原2
少女期

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少女期 第二十一話

劉備が話し掛けてくる気配を察した男が、劉備の言葉を聞き逃さないように劉備をまっすぐ見つめながらどのような発言をしてくるかを注視してくる。

そんな男に対して劉備が張角の元に案内してほしいと話していった。


「ごめんなさい、お待たせしてしまいましたね」


「いや、大丈夫だ。それよりこちらに話し掛けてきたということは、結論は出たんだな?」


「はい。張角殿の、大賢良師様の元に私達を案内してもらえませんか?」


「……わかった。すぐに出発できるのか?」


「はい、できます」


「わかった。それじゃあ出発するから、全員ついてきてくれ」


「わかりました」


こうして張角の元に案内してもらえることになった劉備一同はこの男に案内されるままそのあとをついていき、数日間の旅を経てようやく張角が人々の治療をしている拠点に辿り着くことができたのである。


「……到着したぞ、ここが大賢良師様の拠点だ」


「ここですか。いや、結構な長旅でしたね」


男の言葉を聞いた劉備は辺りを見回しながらそのように答えていく。

そんな劉備に、男が念押しをするように声を掛けてくる。


「……呑気に話しているが大丈夫か? 大賢良師様がお前のことを知らないと言ったらお前は殺されるんだぞ?」


「私のことを覚えていてもらえれば大丈夫なんですよね?」


劉備は男の質問に返答せず、質問返しを行った。

これに男は露骨に不機嫌な表情になったのだが、今現在の張角のお膝元だということもあり、おとなしく不機嫌な表情のままで劉備の質問返しに答えていく。


「……そうだ。そういう約束だったからな」


「それならば私の命は大丈夫だと思います。おそらく大賢良師様は私のことを覚えておられるはずですから」


「……どこからその強気がくるのかがわからんな……」


男が劉備の質問に答えたところで、劉備もまた男の質問に答えていく。

その返答に男は呆れて溜め息を吐いていった。

そんな男に、劉備が早く張角の元まで案内をしてほしいと話し掛ける。


「ふふ、まあそれだけ自身がある、ということですよ。さあ、そろそろ大賢良師様のところに連れていってもらいましょうか」


「……わかった。後悔するなよ?」


「大丈夫です、後悔することなどありませんから」


「はあ、やれやれだな……」


自信満々に発言する劉備の態度に、男は大きな溜め息を吐いたあとで劉備達を張角の元に案内していく。

そうして拠点にきてから約一時間後、劉備達は張角が治療を行っている小屋の前まで案内された。


「……良いな? それでは扉を開けるぞ?」


小屋の扉に手を掛けながら、男は劉備達にそう尋ねてきた。

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