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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第二十話

母から抱き締める力を緩めてもらった劉備は母に、


「それでは母上、私は二回目の濾過作業に行ってきます」


と、言って暗に離してほしいと伝えたのである。

これに母は、


「そう?あんなに重そうなのを持って帰ってきたんだからもう少し休んでからでもいいのよ?」


と、言って劉備に作業に戻るのが早過ぎるのではないか、もう少し休む方が良いのではないかと尋ねたのだが、劉備は、


「でもそうすると朝食作りが遅くなりますよね?だから大丈夫ですよ、母上」


と、言って家から出ていったのである。

この様子を見ていた母は、


「…本当に大丈夫なのかしら…」


と、不安そうな表情で呟いたのであった。

一方の劉備は、


「…こうして水汲みをやってみると現代日本がどれだけ恵まれてるかが良くわかるね。…こうなるといつかは水道も作らないといけなくなるのかなぁ…」


と、言って将来行う作業が一つ増えそうな事に頭を悩ませる結果になったのである。

そうして水場に戻ってきた劉備は、


「…よし、二回目の濾過だね」


と、言って濾過装置に汲み上げた水を入れていったのである。

そうして再び壺の上に濾過装置を置くと発火器を作り始めたのであった。

そんな劉備に、


「お、やっぱりここに来たか」


と、言いながら簡雍が近付いてきたのである。

これに劉備は、


「あ、憲兄ちゃん、おはようございます」


と、言って挨拶をしながら頭を下げたのであった。

これに簡雍は、


「ああ、いいよ、いいよ頭下げなくても。今も濾過?しながら発火器?を作ってたんだろ?だからそっちの方をやってくれよ」


と、言って劉備の言動を制止したのである。

これに劉備は、


「いいの?それだと私も助かるけど…」


と、言って簡雍を見たのであった。

この劉備の言動に簡雍は、


「いいの、いいの。発火器?のおかげで父ちゃん母ちゃんの機嫌も良いしな!」


と、言って劉備の隣に座ると、


「それより玄ちゃん、村人全員分の発火器?作るんだろ?俺も手伝うよ」


と、言って劉備が持ってきていた発火器の材料に手を伸ばしたのである。

これに劉備は、


「え、いいの?私は助かるんだけど憲兄ちゃんは大丈夫なの?…憲兄ちゃんのお父さんとお母さんは?」


と、言って心配そうに簡雍に尋ねたのであった。

すると簡雍はこの質問に、


「ああ、いいの、いいの。て言うか父ちゃんと母ちゃんから早く出ていけって言われたからな。良くわかんねえんだけど」


と、言って劉備の質問に答えたのである。

この答えを聞いた劉備は、


「…もしかして朝っぱらから…?」


と、言って身震いするとそれ以上考えるのを止めたのであった。

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