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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第十九話

水の入った壺を家まで運び終わった劉備は母に、


「母上、一回目の濾過は終わりました!すぐに二回目の濾過作業に行ってきます!」


と、言って壺を持って家を出ようとしたのである。

そんな劉備に母は、


「ちょっと待って玄徳。水を綺麗にするのってこんなに時間が掛かる物なの?」


と、言って濾過に掛かる時間の長さに驚いたのである。

これに劉備は、


「…いえ、兄上から話された時に時間が掛かるとは言われていたんですが、まさかここまでとは思っていなかったので…。完全に私の油断でした。すいません母上」


と、言って母に頭を下げたのであった。

この劉備の言動に母は、


「いえ、あなたを責めているわけでは無いのだけど。ただもう少しなんとかならないかなって思っただけだから…」


と、言って劉備に話すと続けて、


「だから頭を上げてちょうだい?ね、玄徳?」


と、言って劉備に頭を上げるように頼んだのである。

これに劉備は、


「わかりました、母上」


と、一言答えてから頭を上げると続けて、


「…それで濾過装置の事なんですけど村の人達から良いと言われたらなんですけど今よりもっと大きな物を村の水場のすぐ近くに作りたいと思っています。それが出来れば水の濾過も今よりもっと速く出来るようになると思います」


と、言って母に話したのであった。

これに母は、


「…濾過…装置ね、あれってもっと大きく出来るの?」


と、言って劉備に確認してきたのである。

この母の確認に劉備は、


「もちろん出来ます。ただそれに必要な大きな入れ物と中に入れる材料が必要になります。ですから時間が掛かるとは思いますけど」


と、言って母の質問に答えたのであった。

この答えを聞いた母は、


「村の人達の協力は多分大丈夫だと思うから後は大きな入れ物を探さないといけないでしょうね…。材料の方は…私が思っていたよりも簡単に集められる物だったから入れ物が見つかった後に村のみんなに頼めば材料集めは手伝ってくれると思うわよ?」


と、言って劉備に話したのである。

これに劉備は、


「母上も手伝ってくれるんですね!ありがとうございます!」


と、言って嬉しそうに抱き付いたのである。

そんな劉備に母は、


「そんな事当たり前じゃない。可愛い我が子達が村を良くしようと頑張ってくれているんだもの。だから母さんに出来る事があったらすぐに言ってきてね?何でも力になるから…」


と、言って劉備を強く抱き返したのである。

そんな母に劉備は、


「は、母上、ちょっと苦しいです…」


と、言って抱き締める力を弱めるように頼んだのであった。

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