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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第百九十二話

麦の収穫を終え、ある程度の乾燥作業も終わらせた劉備達は続いて脱穀の作業に入っていく。

この脱穀作業を村人達は全員が憂鬱そうな表情をしながら行おうとしていたが、劉備と村長、それに劉備達と一緒に農機具作りを行った簡雍達や李良達は、ようやく作ってきた農機具を実際に使って試せると嬉しさ半分、緊張半分の表情で脱穀作業の日を向かえていた。

まずは集まった村人達に村長が言葉を掛ける。


「皆、今日の作業によく集まってくれた!」


「は、はい」


「あまり元気がないが、やはりこの作業は苦手か?」


「……そうですね」


「ふむ、そうか。だが今年からの作業はこれまでとは違うぞ?」


「え? それはどういうことですか?」


「劉備がまた新しい道具の作り方を教えてもらい、それをここにいる皆で作り上げた! この道具の使い方に慣れ、自在に使えるようになればこれまで以上の早さで作業を終わらせることができるであろう!」


「おお、それは凄い!」


「そう思うであろう! わかったのなら早速作業を始めていこう! 皆良いか!」


「はい!」


「よし、それでは作業開始!」


「はい!!」


村長の発言を聞いてやる気を出した村人達が、次々と千刃扱きに集まっていく。

この村人達の接近前に千刃扱きの前に到着していた劉備が、集まってきた村人達に千刃扱きの使い方を説明し始める。


「はい、皆さんそこで止まってください」


「おう、玄ちゃんか。これはどういう名前の道具なんだ?」


「この道具の名前は千刃扱きと言います」


「千刃扱きか、なるほどな。それでどうやって使うんだ?」


「それは今から実演をしながら説明します。ですから少しだけ離れていてくださいね?」


「わかったぜ、玄ちゃん」


自身の言葉に従って周囲から少し離れた村人達を見ながら、劉備が千刃扱きを使っての脱穀作業を始めていく。

この様子を食い入るように見つめている村人達に、劉備が説明を開始する。


「こうして叩き付けて引き抜けば第一段階は終了です。あとは落ちた穂を集めて叩いていけば作業は終了になります。どうでしょうか、皆さん?」


「ほう、これは確かに簡単にできる。それにこれまでよりも早く作業を終わらせることができそうだ。助かるよ、玄ちゃん」


「ありがとうございます。それでは誰か、私と交代してやってみませんか?」


「俺がやるよ。代わってくれ、玄ちゃん」


「わかりました。それではどうぞ」


「おう」


こうして村人と交代した劉備は、交代した村人の作業風景を見ることなく次の千刃扱きのところに行き、先ほどと同じように作業風景を村人達に見せていった。

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