表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

174/354

幼少期 第百七十二話

劉備と簡雍の長話が終わったところで、マラソンを再開させた劉備は、この日も順調に走り終えると次の麦踏みの時期になるまでの間、午前中はマラソンと筋トレを、午後からは勉強メニューの組み立てに使うことにしていく。

そして子供達には自分がいなくなる午後からのマラソンと筋トレは簡雍に監督を行うように説明し、そのお願いに嫌そうな顔を見せた簡雍には、


「子供達の面倒をしっかりと見てくれたら、勉強の時に簡単な問題ばかりにするから」


そう言って餌をちらつかせてどうにか承諾の言葉を引き出した。

その状態にして二度目の麦踏みの時期を向かえた劉備達は、二度目の麦踏みも問題なく終わらせると予定通りにマラソンと筋トレの身体能力向上のメニューに加えて、文字の読み書きを始めていく。


「ねぇ玄ちゃん、この山って文字、これはなんて読むの?」


「これは「やま」って読むのよ」


「ねぇ玄ちゃん、この川って文字は?」


「そっちは「かわ」ね」


「この線を十回書いていけば良いんだな? 簡単だぜ!」


「線じゃなくて文字だからね? それは間違えないようにしようね?」


賑やかな声が響く劉備達の勉強会場。

ちなみに紙や筆といった筆記用具がまったくないために青空教室で地面に木の枝などで書いていく、この方法で文字の読み書きを教えている。

そうしている内に子供達の声を聞き付けた大人達が一体なにをやっているのかと、興味を持って見学しにやってきた。

劉備はそんな大人達にも文字の読み書きを勉強してみないかと声を掛ける。


「よぉ玄ちゃん、それに子供達も。賑やかだな」


「みんなしてなにをやっているんだ?」


「あぁ、李良さん達ですか、こんにちは。今私達は文字の読み書きの勉強をしているんですよ」


「文字の読み書きの勉強? 玄ちゃんは文字の読み書きができるのか?」


「はい、できますよ」


「……どうして?」


「天の国の兄上から教えてもらいました」


「ほう、なるほどな。そう聞くとますます便利に感じるな、天の国の知識や技術を教えてもらえるっていうのは」


「そうでしょう?」


「ああ。それにしてもこれが文字か、色々あるんだな。見たことのない文字もあるし」


「……うん? もしかして李良さん達も文字の読み書きができないのですか?」


「え? いや、だいたいそうだろ?」


「……そうなんですか?」


「ああ。この村でまともに文字の読み書きができる人っていったら村長さんぐらいじゃないか?」


「……そうだったんですね。それなら李良さん達も文字の読み書きを勉強してみますか?」


この提案に李良達は無言で互いの顔を見つめて考えていった。

閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねありがとうございます!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ