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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期
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幼少期 第十四話

村人達を自分の前に一列に並ばせた劉備は、


「それじゃ一人ずつ発火器を作って渡していきますね?」


と、言って宣言してから発火器の量産を開始したのであった。

そうして作った発火器を村人に渡す際に劉備は、


「火起こしが簡単になる分、火事の危険性が高まると思います。気を付けて使って下さいね?」


と、言って注意を呼び掛けてから渡していったのである。

これに村人達は、


「…火事か。わかった、気を付けるよ」


と、言って受け取っていき、途中の村人が劉備に、


「なあ玄ちゃん、あの濾過装置ってのは作ってくれないのかい?」


と、言って尋ねてきたのであった。

これに劉備は、


「作って渡すつもりでいます。ただ濾過装置の材料を集めるのに時間が掛かるので、それなら大きな濾過装置を村の何ヵ所かに作って村全体で共同で使っていくのが良いのかなって考えてます」


と、言って答えたのである。

これに質問した村人は、


「へぇ、そりゃ良い考えだ。でも順番待ちが多く出たらどうするんだい?」


と、言って劉備に続けて質問していったのである。

これに劉備は、


「最初に共同で使っている間に少しずつ作って村の皆さんに渡していきます。これなら多分大丈夫だと思いますよ?」


と、言って村人の二つ目の質問に答えたのであった。

そんなやり取りの最中にも発火器を作って村人達に渡していた劉備は、


「これでどれぐらいの人に発火器が渡せましたか?」


と、言って尋ねていったのである。

これに村人達は、


「もう半分以上の奴が持ってるみたいだぞ、玄ちゃん」


と、言って劉備の質問に答えたのであった。

するとこの答えを聞いた劉備は、


「これで半分ぐらいか。それならもう少し頑張れば…」


と、言って顔を上げ、自分の前に出来ている順番待ちの列を見て、


「…これはもう少しじゃないな…。どうしよう…」


と、言って作業の手を止めて空を見たのである。

そうして劉備は、


「皆さん、今日はもう遅くなってきたので続きはまた明日にしたいと思ってるんですけど良いですか?」


と、言ってまだ発火器をもらっていない村人達に尋ねていったのである。

これに村人達は、


「…ああ、もう夕方になってるのか…」


「…そうだな、今日はもう終わりにしようか?」


「ああ、そうだな。それじゃ玄ちゃん、また明日、よろしくな!」


と、言って劉備の言葉を聞き入れて今日の発火器受け渡しの作業を終わりにしたのであった。

こうして劉備は自分の発火器と濾過装置を持つと母と一緒に家に帰っていったのである。

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