幼少期 第十三話
兄が村人達に掛けていた迷惑を考えた劉備は村人達に、
「多分兄上は皆さんに掛けていた迷惑の事も考えて天の国の技術を私に教えて皆さんに伝えるようにしたんだと思います」
と、言って村人達に話したのである。
ただしこれは全て劉備が考えた作り話ではあるが。
それでも村人達は、
「…迷惑掛けっぱなしのまま無茶な事して早死にしたから玄ちゃんにこの道具の作り方と使い方を教えて恩返ししようって事なのかねぇ…?」
「…こんな事しなくても長生きして少しずつでの恩返しで良かったのによ…」
「全くだ。残された玄ちゃんとお袋さんが可哀想だろ」
と、言って劉備の作り話を完全に信じてこのように言ってきたのであった。
これに劉備は、
(ちょ、チョロい…)
と、心の中で言ってなんとも言えない表情で村人達を見たのである。
そうしていると村人の一人が、
「…あ、おい、玄ちゃん!そっちの道具から水が出てきたぞ!」
と、言って濾過装置を指差したのである。
これに劉備が、
「え?あ、本当だ。…皆さんどうですか?あの泥水がこんなに綺麗な水になりました!これが濾過装置の力です!」
と、言って濾過装置を掲げて見せたのであった。
これに村人達は、
「すげえなこれは。この道具を知らなかったら間違い無く玄ちゃんを妖術使いだって言ってたよ」
「本当だよな。劉備の奴すげえ物を教えてくれたな」
「…こんな恩返しじゃなくても良かったんだけどなぁ…」
と、次々に言って濾過装置と今の劉備、そして兄の方の劉備の事を誉めたのである。
この様子を見た劉備は村の住人達に、
「皆さんどうですか?この道具が欲しくなりましたか?」
と、言って尋ねたのである。
するとこの問い掛けに村人全員が、
「「「「「「「欲しい!!」」」」」」」
と、叫んだので劉備は、
「それでは今から発火器を作って渡していきます。一人一個で良いですよね?」
と、尋ねると村人達は、
「…そう…だな?」
「一人一個で良い…のか?」
と、言って迷ったので劉備は、
「壊れたらすぐに次の発火器を作るから大丈夫ですよ?」
と、言って村人達を安心させたのであった。
この言葉を聞いた村人達も、
「それなら一個で大丈夫か。それじゃよろしく頼むよ、玄ちゃん」
と、言って発火器の製造を劉備に頼んだのである。
これに劉備も、
「わかりました、それでは次々に作って渡していくので順番に並んで待っていてくださいね?」
と、言って村人達を自分の前に一列に並べて待たせたのであった。
これに村人達も、
「「「「「「「わかった、頼んだよ」」」」」」」
と、言って答えると劉備の前に並び始めたのである。
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